2018年は石ノ森章太郎の生誕80周年という、記念イヤー!
手塚治虫、藤子不二雄、横山光輝、赤塚不二夫などと並び、1950年代から数多くの作品を発表し、日本のマンガ界をリードしてきた萬画家(まんがか)・石ノ森章太郎。
1998年に亡くなって以降も、『サイボーグ009』や『仮面ライダー』など、石ノ森の手がけた傑作の数々は、いまだに進化を続け、多くの人たちに愛されています。
しかし、石ノ森の作品の魅力は、かっこいいヒーローが登場するだけではありません。
マンガの神様・手塚治虫が衝撃を受け、嫉妬さえしたという斬新すぎる実験的技法と、だれもが驚いたというその筆の速さで、先鋭的な社会派作品、江戸情緒あふれる時代劇、魅惑の美女たち、過激なギャグ、さらにはラブコメやスポーツや歴史に経済に宗教などなど……無数の作品を世に送り続けたことを、みなさんはご存じでしょうか。
今回は、石ノ森章太郎の魅力を一冊にまとめたファンブック、『生誕80周年記念読本 完全解析!石ノ森章太郎』のなかから、石ノ森章太郎が現代に残した「すごい!」マンガ=萬画を、紹介していきます!
『生誕80周年記念読本 完全解析!石ノ森章太郎』
石森プロ:監修 別冊宝島編集部:編 宝島社 ¥1,600+税
(2018年8月22日発売)
石ノ森が「天才」と語られる真の理由を、永遠のライフワーク『サイボーグ009』を中心として、徹底的に考察。
一貫して描き続けたテーマや、現代の視点で見た実験的技法の秘密、さらにご本人の温かな人柄など、今読んでも新しい発見ができること間違いなしの1冊になっています!
カラーページには、商業誌初掲載となる超貴重同人誌が!
中学生の頃からその才能が頭角をみせ、"宮城に天才あり"と言われた神童・石ノ森が、若き日に制作に励んでいた、肉筆回覧同人誌「墨汁一滴」。今まで行方不明だった第4号が、2018年に“発見”されて話題となったのですが……。
今回なんと、そのなかの一部を商業誌にて初掲載!
このほかにも巻頭カラーページでは、『章太郎のファンタジーワールド ジュン』の主人公・ジュンが、石ノ森の手がけた作品群を旅する、幻想的かつ美しいイラストをはじめ、石ノ森がもっとも得意としたSF作品群より『ミュータント・サブ』『幻魔大戦』『リュウの道』『ギルガメッシュ』、江戸情緒あふれる『佐武と市捕物控』『さんだらぼっち』などの美麗イラストが満載。当然、『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』『変身忍者 嵐』『仮面ライダーBlack』、さらには『スカルマン』などの、石ノ森ヒーローも大集結!
ほかにも、青年誌連載作品『009ノ1』『ワイルドキャット』などに登場したセクシーでアクティブなヒロインたちや、雑誌表紙を飾ったスパイシーかつファッショナブルな美女イラストも多数掲載しています。
もちろん、『サイボーグ009』のイラストも時代順に多数収録!
初めて連載誌「少年キング」の表紙を飾った際のイラストから、少女マンガ雑誌に連載されていた時期の、美しくもどこか儚げなイラスト群、あの「完結編」のビジュアルイメージとして、晩年の石ノ森が描かれた青い戦闘服を着た009(ジョー)の姿も……!
美しいカラー画稿を改めて見つめなおすことで、“神童・小野寺章太郎”が“天才・石森章太郎”そして“巨匠・石ノ森章太郎”へと変化していく様子――タッチの変化や、生み出し続けたキャラクターと多岐にわたるジャンル――を再発見できるかもしれません。
超豪華著名人11名による、総力スペシャルインタビュー!
石ノ森と関係の深い豪華著名人総勢11名による、インタビューを掲載!
藤子不二雄A先生
マンガ界の梁山泊・トキワ荘で、青春時代をともに過ごした藤子A先生が見た、若き石ノ森と仲間たちとの日々……。ここでしか読めない、石ノ森の秘蔵エピソードも!?
さいとう・たかを先生
石ノ森のプライベートを知る無二の親友、さいとう・たかを先生も登場! 石ノ森時代劇が持つ魅力とは? 現役で『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』の連載を続ける劇画界のレジェンドが、石ノ森の天才性を語る!
出渕裕さん
『機動戦士ガンダム』シリーズや『機動警察パトレイバー』、スーパー戦隊シリーズなどで、多数のメカニック・キャラクターをデザインする、マルチクリエイター・出渕裕さん。平成ライダーシリーズなどで、石ノ森デザインを深くリスペクトする出渕さんが手がけた、“石ノ森ユニバース”を描いたアニメ『スカルマン』の誕生秘話とは……?
このほかにも、トキワ荘時代をともに過ごした、鈴木伸一さん、水野英子先生をはじめ、石ノ森作品の映像作品に大きく関わった辻真先先生や紺野直幸さん、石ノ森作品を受け継ぎ『新 仮面ライダーSPIRITS』を生み出している村枝賢一先生、マンガ研究家としての目で60年代の石ノ森作品の革新性を語るみなもと太郎先生、さらに石ノ森が“唯一の弟子”と語ったすがやみつる先生に、最晩年の石ノ森を間近で見続け現在は『幻魔大戦』サーガの完結に挑んでいる石森プロ・早瀬マサト先生が登場!
石ノ森章太郎という天才萬画家の作品群について、熱く語っていただいております!
作品紹介記事では、軸となる『サイボーグ009』のメインエピソードは当然ながら、その原型と思われる作品『敵 -THE ENEMY-』、ご存じ『仮面ライダー』『人造人間キカイダー』を代表とする変身ヒーロー作品。そしてそれだけでなく、デビュー直後に発表した少女マンガ作品群、傑作時代劇『佐武と市捕物控』、実験作品として名高い『章太郎のファンタジーワールド ジュン』、オカルト趣味をエンターテイメントとして昇華させたSF『番長惑星』『星の伝説 アガルタ』、発表当時は斬新すぎて後作につながらなかった過激ギャグ『テレビ小僧』、未完の大作『幻魔大戦』、ある意味で石ノ森最大の代表作『マンガ家入門』、暴走する自己パロディ『ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ』、その表現から全集未収録となった幻の短編『超人たち』まで、多数の作中カットとともに徹底的に分析・解説。
きっと多くのみなさんが「知ってるよ!」と思い込んでいる石ノ森章太郎像とは、少し違った一面が、本書を読むことでわかるはず!!
生誕記念イヤーということで、24時間テレビでの伝記ドラマ化(Sexy Zoneの中島健人さんが石ノ森役!)など、今年は特に石ノ森の話題でもちきりの1年となりそうな2018年。
みなさんもこれを機に、石ノ森作品の魅力にふれてみるのはいかがでしょう?
『生誕80周年記念読本 完全解析!石ノ森章太郎』
石森プロ:監修 別冊宝島編集部:編 宝島社 ¥1,600+税
(2018年8月22日発売)