日々発売される膨大なマンガから、「このマンガがすごい!WEB」が気になっているマンガをお知らせする新刊レビュー!
本日紹介するのは、「別冊少年マガジン」で大好評連載中の『神獣医』
『神獣医』 第1巻
原作/小林作 漫画/堀内厚徳
講談社 ¥450+税
(2020年11月9日発売)
単行本の購入はこちら!
獣医という職業や動物病院を舞台にしたマンガは数あれど、動物の形をした神様=「神獣」を治すマンガは、史上初ではないだろうか。動物に嫌われがちな獣医・朝井尊は、大学時代の傍若無人な先輩に強引にスカウトされて、神獣たちの病気を治す内閣府特命防災局の専門獣医になってしまった。しかも、洪水、噴火、大嵐などなど日本を襲う大災害の原因は、日本各地を守る神獣たちの体調不良で、尊が病気を治せたら無事に災害を阻止できるらしい。内閣府特命防災局、神獣、日本の命運を背負っている。カッコいいワードが三連発のスーパーハイスペックな尊だが、しかし、彼が足を踏み入れた世界は想像以上の(肉体的)激務であった! 麒麟の住む活火山の頂上で落石が飛び交う中切開手術し、火の鳥の炎に焼かれながら患部を触診する。この職業、文字通り命がけである。それでもどこか尊に憧れてしまうのは、獣医の仕事で日本を救ったという達成感と、ひとつの命を救った充実感が溢れているから。神獣というファンタジー溢れる題材でも、ひとつひとつの命の大切さをしっかりと描いているのは、作者が現役獣医師だからこそ。
まずは「マガポケ」で無料公開中の1話を読んでほしいのだが、その前に、『神獣医』の編集部の推しどころはこちら!
ここがすごい!その① 神獣だって、動物だもの。
神様の麒麟、龍、火の鳥。伝説上の生き物たちも、動物と同じ体の構造をしているのだ。たとえば、麒麟の腹痛の治療では、「麒麟は胴体が鹿、牛の尾に馬の蹄」という知識から、草食動物特有の疾患だろうという予測を導き出す。実際の獣医学の知識を伝承と照らし合わせていく過程は、フィールドワークのような面白さがある。
ここがすごい!その② 憎めない神様たち
このマンガ、神獣たちの人間臭さが良い。「神」なんて付いてるから荘厳で神聖な雰囲気なのかと思ったら、ファーストフードを食べすぎて痛風になったり、人間のためにサービスしすぎてポリープを患ったり。しかも、その痛みを何の関係もない尊に八つ当たりしてきたりする。なんともワガママな神様だが、その俗っぽさが憎めない。
ここがすごい!その③ 尊のアツいポリシー
尊にとっては、神も動物も等しくひとつの命。
怯えず媚びず、まっすぐ患者と向き合う姿勢に胸を打たれる。
新生アニマルドクターの行く末を、これからも見守っていきたい。
<文・このマンガがすごい!編集部>
————————————————————————————————————————————————————
先生方のコメントを頂戴しました!
————————————————————————————————————————————————————
◆試し読みリンク(マガポケ)
第1話試し読みはこちらから!