『このマンガがすごい!WEB』 3月のランキングオトコ編第1位に輝いた『ダンジョン飯』、そして今月第2位、先月発売の第2巻で2カ月連続ランクインが期待される『ゴールデンカムイ』を絶賛する声が、編集部でちょっと困っちゃうくらい多かったので、みなさんの熱いコメントをここで一挙にご紹介させてください!
品切れ店続出の“架空グルメマンガ”が話題を独占!
書店員の立場で考えると、やっぱり『ダンジョン飯』の品薄騒動につきますね。2月中旬現在でようやく供給が安定してきた感じですが、まだまだ売れています(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
正統派料理マンガであるはずの『美味しんぼ』が最新刊で、福島の真実を暴こうとしている翌月に、モンスターを調理する『ダンジョン飯』、さらに北海道の熊やリスを調理する『ゴールデンカムイ』と異色料理マンガ(?)が発売されたというのは、料理マンガ界に何か大きな流れが来ている予感がしますね(犬紳士/養蜂家)
とにかく『ダンジョン飯』の売れ方がやばかった!(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店店長)
スライムってこうやって食べるんだ! わくわくする(非)グルメマンガ。着眼点がステキすぎる……(かとう ちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
これぞ天才のワザ。マンガ表現に関して九井先生はだれよりも自覚的だ。作品そのものがマンガ表現への批評ともなっている九井作品はすぐれた「メタマンガ」である。前作『ひきだしにテラリウム』の、「記号を食べる」というエピソードで見せたグルメ表現のテクニックはますますさえわたり、読む者の食欲を刺激する。なんでこんなグロテスクな魔物たちがおいしく見えてくるのだろう? マジカルで官能的な極上のグルメマンガ(小田真琴/女子マンガ研究家)
「ダンジョンのモンスターを調理して食う」という、食マンガもここまできたかと思える突飛な設定。そして、ワンアイデアですまさないきめ細かい世界観の構築。それでいて気楽に読めるテンポのよさとキャラの愛嬌。今年を代表する作品が、もう1月に出ちゃったなと。ファンタジーRPGの世界を所帯じみた視線で描くことで特殊な死生観などが浮き彫りになる、ディテールの細やかさに何度も唸らされました(ナデガタ/漫画感想ブロガー)
『ダンジョン飯』はこんな考え方があったのか!と思わず膝を打ちました。ダンジョン=食材の宝庫と考える“サイコパス”パーティーの動向が気になります(富士見大/編集・ライター)
強者のみが食える、それが『ダンジョン飯』。動く鎧すら、あの手この手で食べてみせるのはみごと。生きるためにおいしく喰らうのだ!(ふな/ブログ「はてなで語る」管理人)
モンスターを食材としてとらえる視点が、ファンタジーに新しい感覚をもたらす(卯月鮎/書評家・ゲームコラムニスト)
スライムやら動く鎧やらといった様々なモンスターがどう補食したり生殖したりしているかという、すばらしき「架空の生き物の生態」マンガ。『鼻行類』みたいなのが好きで、かつ食マンガも好きな身としてはたまらない(V林田/咲-Saki-ファン)
九井諒子先生らしい現実と地続きな感じの、妙に庶民感覚のあるファンタジー。バトルではなく、食事をメインでダンジョンファンタジーを描くと、こんなにおもしろいとは!(芝原克也/日本出版販売コミックチーム係長)
視点のおもしろさを、きちんと作品に繋げた労作。ファンタジー版グルメマンガかと思いきや、ページの大半はダンジョンやモンスターの生態系の描写にさかれており、食を知ることは自然を知り、世界を知ること、と思い至ったりも(マクガイヤー/ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人、ニコ生主)
待ってました、単行本。過去作品の通好みな味わいはそのままに、もっといろんな人にすすめてみたくなるマンガを描いてくれたな~、という印象(和智永妙/ライターときどき編集)
「●●を○○するマンガ」的なシンプルな説明要素だけで、とりあえずレジに本を持っていかせてしまう、数年に一作レベルの”仕上がった”ヒット作。作者のキャリアともちゃんとリンクしてるところがいい(大西祥平/マンガ評論家)
ゲーム世代にビビッとハマる作品。TRPGユーザーでもなかなかモンスターを食べるという思考にはたどりつかないでしょう。ほかの九井諒子先生作品のなかでも、異彩を放つ新感覚グルメコミックス!(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店)
おいしそうだし、レシピも載っているのに決して食べられない矛盾。食マンガだと思って読んだらダメです。でもおもしろさは文句なし!! (リブロ池袋本店/豊島区書店)
ダンジョンやモンスターなど非現実的なゲームのなかの世界観を、食事というベクトルで現実に引き寄せてリアルにおもしろく描いた様子はまさに傑作。まだ1巻なのに今年一番の話題作が早くも出てきたという貫禄さえ感じられる(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
絶対食べられない! と思っていた「動く鎧」。まさかあんなおいしそうな料理になるなんて…! ますます九井諒子作品に夢中になりました(倉持佳代子/京都国際マンガミュージアム研究員)
『ウィザードリィ』のようなシビアな世界でのダンジョン探索ファンタジーであり、モンスター生態観察マンガであり、ガチンコお料理マンガであるという、ひとつでふたつもみっつもおいしい作品。恐ろしい姿かたちのモンスターを本格的に料理したらというコンセプトがまずすばらしいのだけど、ゲテモノとしてではなく本当においしそうに描いているのがまたミソ。冷静沈着でリーダーシップも発揮しているのに、ことモンスター料理のことになると、こいつは喰えるのかとか、どう喰えばうまいのだろうかと、なかばとり憑かれたように行動しはじめるライオスが、なんだかんだでパーティで一番のっぴきならない人だというのが、またおかしい(さすらい/ブログ「(怒りの以下略)」管理人)
もはや食傷気味とも言えるグルメマンガ界に、ついに九井諒子が参戦! ……とはいえ架空生物の調理法なうえ、まったく食欲はそそられない。グルメマンガというよりは、架空生物の詳細な生態説明が楽しい。『鼻行類 新しく発見された哺乳類の構造と生活』を読んでるときの楽しさが蘇りました(冬蜂/「SFファン交流会」代表)
ファンタジーRPGを題材に「まだこういう切り口で楽しめたか!」というニッチな作品かと思いきや、意外と純粋に好奇心が刺激される。ときおり出てくる、解剖学的なモンスター考察もツボ。(大黒秀一/エンタメ系ライター)
RPGが好きな冒険者&元冒険者必読。ファンタジーによくいる「動く鎧」の独自解釈には思わず脱帽した!(山田幸彦/ライター)
実在していないファンタジー世界の料理を扱うというジャンルでは、先達に『トリコ』、『放課後のトラットリア』などがあります。『ダンジョン飯』がそれらと違うのは、ファンタジー世界に出てくるモンスターを調理すること。しかも、その調理方法、説得力が実際の調理方法に即しているため、読みながら本来はまったくわからないはずの味まで、容易に想像できるのです。ダンジョンをもぐるお話のなかで、どうしても避けては通れないのが食事ですが、そこにまっこうから取り組み、しかもこれほどの高水準の作品に仕上げたのは本当にすばらしいです。短編の名手は、長編でも名手だった!(杉村啓/料理漫画研究家)
ダンジョンの魔物を倒して「食べて」進んでいく、ありそうでなかった展開。膨大な知識や技法の蓄積により、「ダンジョンの魔物を食べるグルメマンガ」という一発ギャグが異様な説得力を持っている。グルメマンガの新たな幕開けとなる一作。2015年もグルメマンガは熱い!(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)
九井諒子『ダンジョン飯』は、まさかダンジョンをめぐるファンタジーでサバイバルグルメの話にもっていくと思わず、その奇抜な発想にまず脱帽し、内容もその設定を活かしたおもしろさなので拍手喝采(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
『ダンジョン飯』は、「日刊マンガガイド」「ロングレビュー」でも紹介しています!