いつもなら狂言まわし的存在のスミスが乙嫁に接触し、なんらかのアクションがあるのだが、ペルシアの女性は家族以外の男性に顔を見せないため、交流はナシ。あんなスリムビューティーと同じ屋根の下で過ごしているのに、顔を合わせる機会もなく去っていくなんて、かわいそうなスミス。
まぁ、これまでさんざん若く美しい女性たちと出会ってきたのだから、同情することもないか。
さて。優しい旦那様との平穏な日々に満足しているはずのアニスだが、ふとした瞬間に空虚な気持ちになることがあった。
そんなアニスにメイドのマーフはこう助言する。「姉妹妻を持つべきですわ」。姉妹妻とは、結婚して子供のいる女性同士が親友の契りを交わして、互いにとってかけがえのない存在になること。アニスは永久の友を探しに女性同士でのおしゃべりの機会が多い“お風呂屋さん”へ赴くことにする。
ここからは怒涛の肌色づくし。美女の裸体がこれでもかと画面を埋め尽くす。
アニスは女湯でシーリーンというふっくら美女を目にとめる。大食いで超巨乳……、自分とは対照的な彼女にすっかり惹かれたアニスは積極的にアタックを開始。多分に百合的な展開ではあるのだが、淫靡なベクトルには向かわない。「私の何がそんなに気に入ったの?」とシーリーンがたずねた際に、「うちの猫に似ているから」と照れながら答えるアニスがキュートだ。
やがて正式に姉妹妻となった2人。シーリーンにご執心なアニスに、夫はほんのりとジェラシーを覚えてしまう。しかしながら、そんな夫にアニスから仰天の提案が出されることに!
いやはや、親友とは、結婚とは、家族とは、絆とは何かを改めて考えさせられる第7巻でありました。
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。4月4日公開・松尾スズキ監督『ジヌよさらば~かむろば村へ~』の劇場用プログラムに参加します。
「ドキュメント毎日くん」