毎回“恋愛”をテーマにした作品が多くランクインしているオンナ編。なんと、今月はボーイズラブだけでなく、ついにガールズラブまで登場しました。
そしてその混迷のなか、第1位に輝いたのは、いわゆる「腐女子」のラブストーリー! これは、「一途でかわいい女の子が、モテモテのイケメンとつきあう」という不動の人気設定からは外れた作品……これからはヲタクの時代がくる!?
恋愛マンガの新時代の到来を予感させる、6月のオンナ編ランキングをお見逃しなく!
男女関係なく楽しめるマンガばかりなので、男性のみなさんもぜひ読んでみてくださいね。
(2015年4月1日~4月30日発売作品を集計)
第1位(136ポイント)
『ヲタクに恋は難しい』 ふじた
『ヲタクに恋は難しい』
ふじた 一迅社
会社の同僚に隠れて腐女子をやっているOL・成海と、イケメンだが病的なゲームヲタクの宏嵩。2人の不器用な恋愛を描いたラブコメディ。
「pixiv」でブレイクした大人気作品が、多数の描き下ろしを加えて待望の単行本化。マンガというジャンルの新しい可能性のひとつを提示してくれました。
しっかりとした社会人だけどヲタク、というキャラクター造形の妙も「今」っぽくて、これからますます人気が高まりそうです。
オススメボイス!
■腐女子とゲーヲタの不器用ラブコメ。オタクなら共感できるネタとテンポのよいやり取りが楽しい。あと、花子さん超カワイイ(麻野昌三/わんだ~らんど なんば店店長)
■「ヲタク」の方々、ついにきました! 「ヲタク」以外の方も共感できる方々はいらっしゃいますか? 男性の方にもおすすめです!(旭屋書店なんばCITY店 平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)
■ゲームヲタクの宏嵩と腐女子の成海の社会人ヲタク恋愛。ヲタク趣味に理解があり、ビジュアルもよく、幼なじみ属性もある。ヲタク羨望のカップルだが、こだわりの多い2人の恋愛は一筋縄ではいかない。先輩社員のカップルも素敵。描き下ろし多数で、装丁もかわいくてオススメ(太田和成/あゆみBOOKS五反田店 コミック担当)
■キャラクターの造形が魅力的。軽妙な会話も心地よい。ヲタクネタがわかるとより楽しい(日本出版販売株式会社/コミックチーム チーフ)
■発売を待っていました! ヲタ恋! ヲタクな人は問答無用でおもしろいのではないでしょうか! 雰囲気女性向けぽいですが、男性が読んでもまったく問題なく楽しめます。ヲタクなキャラクーたちの日常、セリフにニヤニヤして楽しんでいただきたいです!!(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店店長)
■身につまされる身近かつ切実な悩みから、ちょっとだけディープな境地まで、さまざまなヲタクあるあるで綴られるラブコメディ。でもどう見てもリア充ですよね!? 素敵です!(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
「あの書店に聞く!!」でのご紹介は、コチラ!!
第2位(120ポイント)
『フラウ・ファウスト』 ヤマザキコレ
『フラウ・ファウスト』
ヤマザキコレ 講談社
ファウスト博士がメフィストフェレスとの間にある「ゲーム」を始め、彼は不死となり「ヨハンナ・ファウスト」という女性の肉体となって放浪を続ける。
「このマンガがすごい!WEB」でも何度も取りあげた人気作品『魔法使いの嫁』の作者が、またもセンセーショナルな設定の新作マンガを発表。
巧みなストーリーテリングと、おもわずページをめくりたくなるほどの“読ませる”展開で読者を魅了しました。
オススメボイス!
■元祖マッドサイエンティストともいえるファウストの女体化版ということで、メフィストフェレスとの関係も含めて要チェックです(永田希/書評家、マンガサロン『トリガー』店長)
■ゲーテの戯曲「ファウスト」をモチーフに、『魔法使いの嫁』のヤマザキコレが描く、新しいファウストの物語。不死の少女と首のない悪魔の関係に惹きつけられる(日本出版販売株式会社/コミックチーム チーフ)
■前作と同じ路線だとは思うが、それが読者の一番望んでいるものだと思う(浜波孝至/BOOKSなかだ魚津店営業担当)
■第1話を読んだ瞬間に「ヤマザキコレさん、連続ランクインか……」と確信しました。ぶっきらぼうな口調(そりゃそうだ、男だったから)、のちに同行者となる少年・マリオンとのやり取り、そして新月の夜開く“扉”……こりゃもうワクワクが止まらないっ!(滝川レイ/フリーカメラマン)
■『魔法使いの嫁』ヤマザキコレの最新作ということで、どんなファンタジー作品が飛び出してくるのかと思っていたら、ファウストで女体化とは! あいかわらず絵もお話も丁寧なので、じっくり味わって読みたいと思っていたのに、続きが気になって足早に読んでしまいました(穂高茉莉/楽器店店員)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第3位(112ポイント)
『地獄のガールフレンド』 鳥飼茜
『地獄のガールフレンド』
鳥飼茜 祥伝社
バツイチシングルマザーのフリーイラストレーター・加南と、不倫相手に捨てられ長らくセカンドバージン状態のまじめOL・悠里、そして自分以外の女性に興味がなく性に奔放な奈央。3人は同居を始める。
年齢も性格もバラバラの3人が、本音をさらけ出しながらも、自ら問題に向き合い、なんだかオンナとして成長していく。
アラサー女子の圧倒的な指示を受けてのランクイン。女心がわからない男性にも、おすすめしたい作品です。
オススメボイス!
■アラサー女子にぜひ手に取っていただきたいです(旭屋書店なんばCITY店 平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)
■鳥飼茜先生ならではの言葉の強さが際立つ作品。一軒家をルームシェアして暮らす、立場も思想も異なる3人の女のガールズトークは、テンポよく、楽しく読ませながらも、今日の女性たちが直面する諸問題を次々とあぶり出していく。「自分の人生が楽しいと人に言いづらいのはなんでだ」問題、「私の子どもでもないのくせに私を『お母さん』と呼ぶな」問題、「男の子って怒らない女が好きなんだよね」問題など、首がもげるほどうなずくこと必至(小田真琴/女子マンガ研究家)
■友だちのいない女3人の同居物語り。鳥飼さんのマンガのなかでは、すかっとしてて、だいぶ読みやすい気がします!(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■女のホンネっぽいものを露悪的に出すというのはよくあるけども、処女にしか興味がない腐りきった鹿谷がいることで、その露悪さに冷水をぶっかける構造が全体をすごく締めている(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■『先生の白い嘘』『おんなのいえ』の作者による作品。ほか2作と比べても、底抜けに明るい感じが爽快です(永田希/書評家、マンガサロン『トリガー』店長)
■「自分の幸せとは?」「結婚とは?」と思わず自らのことを振り返ってしまう作品。グサグサきます(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!