第4位(96ポイント)
『アル中ワンダーランド』 まんしゅうきつこ
『アル中ワンダーランド』
まんしゅうきつこ 扶桑社
ペンネームからしてちょっとすごい、いま様々なメディアで話題になりつつある、まんしゅうきつこ初の描き下ろしエッセイマンガ。
彼女のブログが多くの人の目にとまった陰で、アルコール依存症にもがき苦しんでいた彼女の大暴走の日々が赤裸々に綴られる。
幻覚、被害妄想、記憶障害……口にするだけでも憂鬱になりそうな症状を、マンガでおもしろおかしく(?)描いたところに、吾妻ひでおのエッセイマンガにも通じるユーモアとペーソスを感じさせます。
巻末の「アル中鼎談 中川淳一郎×小田嶋隆×まんしゅうきつこ」も話題に。
オススメボイス!
■笑えないところがおもしろいです。そして意外とさらっと読めてしまう……(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■この人生切り売りっぷりがすごい。トークライブでの出来事……マジですか……(紙屋高雪/ブログ「紙屋研究所」管理人)
■だれにでもあるお酒失敗談の、そのほんの少し先にあるアル中体験ルポ(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表、映画ライター)
■アル中と診断された作者の笑いと恐怖を同時に味わえる稀有なマンガ。本年度一番の問題作(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)
■「まじめな人」がまじめなまま、アルコールに溺れていく姿が生々しい。人にすすめたいマンガ……だが、やっぱり……作者名が言いづらい、かも(和智永 妙/ライターたまに編集)
「日刊マンガガイド」での『ハルモヤさん』ご紹介は、コチラ!!
第5位(90ポイント)
『空想少女』 さと
『空想少女』
さと 秋田書店
ショートストーリーからギャグまで様々な形式で、メタやガールズラブなど幅広い内容を織りこんだ、少女たちをめぐる10篇のオムニバス作品集。
そしてファンタジックな世界で展開する、バラエティに富んだストーリーの巧みさに注目が集まり、少ページながら完成度の高い作風に満足の声が高かったようです。
オススメボイス!
■1話1話を膨らませればそれぞれで単行本を1冊ずつ出せそうなくらいに豊富な「空想少女」のアイデアが、オムニバス形式で単行本1冊にギュッと詰め込められており、今月一番お買い得感があった1冊でした。タイトルで少女と言っておきながら、第2話ではいきなり子持ちの主婦が主人公だったりするけれど、タイトル詐欺とは全然思えないくらいにちゃんと「少女」でした(いのけん/麻雀マンガブログ管理人)
■女の子たくさんのオムニバスで、ほのぼのもバカエロコメディももりだくさんですが、個人的には「せいちょうき」というお話が何度読んでも泣くくらい好きです。女の子を見守る視点の優しさが作品に滲み出ています(ササナミ/ブログ「雑食商店街3373番地」管理人兼書店員)
■読み切り連作ファンタジーで、アイデアが秀逸。どの作品もおもしろく、1冊でいろいろと楽しめる(happysad/「マンガ一巻読破」管理人)
■よくできた短編SFの鉄則として「最初に提示したテーマを作中で回収し、それがシナリオの解決に寄与していること」がある。これがそれだ(raven/ディレッタント)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!
第6位(88ポイント)
『おはよう、いばら姫』 森野萌
『おはよう、いばら姫』
森野萌 講談社
入院する母にかわって、家事と妹の世話に奔走する主人公・美郷哲は、ひょんなことから“家政夫”のアルバイトをすることになった。
派遣先の“丘の上のお化け屋敷”で、彼は不思議な長い髪の少女に出会う。
奇妙な屋敷に閉じこめられた美少女をめぐる、ミステリアスなストーリー展開に心を奪われた読者多数!
“今いちばん続きが気になるマンガ”と話題になっています。
オススメボイス!
■多重人格的な設定を持ち込んでいるうえに、男受けしそうなヒロイン、加えて頼りない男の子が主人公と、掲載誌「デザート」のイメージとは異なる内容にびっくり。めくるめく展開の連続に、続きが気になって仕方ない!(いづき/ブログ「オトコでも読める少女マンガ」管理人)
■2巻の発売が待ち遠しい!! 今一番続きが気になるマンガです!(八尾美映子/三省堂書店神保町本店コミック担当)
■1話の1ページ目から引き込まれました。好感のもてる絵柄で描き出される登場人物たちが、どこかかけ違えたままになっている心の謎とどうやって向き合っていくのか……。早くも続刊が楽しみです(りる/感想系ブログ『空夢ノート+』管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!!