東京・池袋東口方面といえば、今や全国の女性アニメ・コスプレファンが集まる“乙女ロード”はもはや全国区といってよいメジャー地域。それに対し、今回はお話をうかがった書店・芳林堂コミックプラザは、池袋西口を中心としたエリアの書店さんです。
同じ池袋でも、西口と東口では訪れる客層に違いはあるのか? あるとしたら、西池袋にはどんなお客さんがくるのか? と、おたずねしたところ、どうやら東口方面に比べ、やや年齢層が高いそうで……。
今回は、芳林堂コミックプラザ店・店長の佐々木敏彰さんに、少年時代はよくマンガを読んでいたけれど、最近はごぶさただという男性に読んでいただきたいマンガをご紹介いただきました!
芳林堂コミックプラザおすすめの「大人にすすめたいマンガ」ベスト4
『It's my Life』 成田芋虫
『IT'S MY LIFE』第1巻
成田芋虫 小学館 \583+税
(2015年3月12日発売)
小学館が配信するWEBコミック「裏サンデー」に昨年末から連載されている作品です。
早期退職して念願のマイホームを手に入れたユースティティア帝国の聖騎士団長・アストラは、新居に飛びこんできたアンティキティラ魔女ノアに「邪神」と勘違いされ、下僕にしてほしいと請われます。
当店に訪れるお客様は、男女比では約7割が男性で、比較的年齢の高い層が中心です。
したがって、アニメ化されたり、メジャーな漫画誌で売れていたりという作品よりも、比較的マイナーでも実力のある作品がよく動く傾向があります。
本作はファンタジーものですが、35歳のアストラと8歳のノアとういう歳の差コンビを描くコメディタッチのマンガで、主人公・アストラが中年男性ということもあって、当店のお客様にぜひオススメしたいと思っている作品です。
印象としては『よつばと!』に近いですね。アストラとノアの、親子ほども歳が離れた2人の日常生活で起こるギャップと、2人のやりとりがほほえましいです。
『野武士のグルメ』 久住昌之(作) 土山しげる(画)
『漫画版 野武士のグルメ』2nd
久住昌之(作) 土山しげる(画) 幻冬舎 \1,200+税
(2015年3月14日発売)
『孤独のグルメ』の大ヒットを受けてか、「食」を取り扱ったマンガは今や老若男女に受け入れられているようです。
ただ、本作は主人公が定年退職したばかりの60歳のサラリーマンが、第二の人生を歩みだしたなかで出会う“食あれこれ”という設定で、共感できる層の支持が高いのが特徴です。
すっかり食マンガの大家となった久住&土山コンビによる『荒野のグルメ』も、課長クラスの中年サラリーマンが主人公なので、やはり同世代のお客様が買っていかれることが多いですね。
『キン肉マン』 ゆでたまご
『キン肉マン』第50巻
ゆでたまご 集英社 \400+税
(2015年4月3日発売)
もうひとつ特徴的なのは、昔読んでいたマンガの続編や後日談、リメイクといった作品がよく動くということです。 あのころ読んでいた人が当時を思い出しながら、そのままの勢いで読めるのが良い面で、今だと『幻魔大戦Rebirth』や『グレンダイザーギガ』といった作品が発売されたところです。
そのなかで、私もずっと購読していて一番好きなマンガが、本作です。ゆでたまご先生の画力もさらにアップして、まさに当時の『キン肉マン』のアツくておもしろい展開が帰ってきたという感じで、毎巻楽しみにしています。
買いにくるお客様も同世代の方が中心なので、皆さん同じ想いなんだろうな、と思っています。