『ゆでたまごのリアル超人伝説』
ゆでたまご 宝島社 ¥842
(2014年6月9日発売)
女房を質に入れても読みたい! 『キン肉マン』創作秘話
80年代に一世を風靡し、今なお絶大な人気を誇るプロレス系格闘漫画『キン肉マン』。
24年ぶりに連載が再開された際は「このマンガがすごい!2013」でオトコ編 7位にランクインもされ、奇跡の逆転ファイターがリングに帰ってきた! と喜びに沸いた読者も多かったことだろう。
日本中が熱狂した超人ファイト復活のニュースは、キン肉マンブームに夢中になってキン消しをアホほど集めた当時の少年たちの興奮と記憶をよみがえらせてくれる一大事件だった。
そして現在も『キン肉マン』は「週プレNEWS」で連載中だ!
このたび宝島社から『キン肉マン』の創作秘話を語った新書『ゆでたまごのリアル超人伝説』なる新書が発売された。作者・ゆでたまごの2人が描いた世界は「じつはプロレスそのものだった!」という、遊びゴコロあふれる視点で描かれている本作。
作者という立場ではなく、プロレス団体・キン肉マンのイベントプロモーターという立場から『キン肉マン』の世界観を語っており、本書のなかではキン肉マンの親友であるテリーマン氏とゆでたまご氏が対談して、今までの試合を振り返るという場面もある。
え? ちょっと言っている意味がわからない?
それでは、まだ本書を読んでいない方々のために、少しだけ本書の見所を紹介させていただこう。
プロレスとマンガは同じ!?
著者・ゆでたまごは、「プロレス」と「マンガ」はとても似ていると語る。
「たとえば観客(読者)をヒートアップさせる手法だったり、週1のプロレス中継(週刊連載)に向けて仕掛けを考えることだったり、観客動員数(読者アンケート)に影響を与える試合作りをしなければならないことなど、共通点はとても多い。」
そんなことを考え、常に自分自身の状況をプロレスに置き換えて作品をつくってきたというのだ。まさにプロレス団体『キン肉マン』。本作の人気の秘密は、著者自身がイベントプロモーター視点で様々な仕掛けを行なってきたからだったのだ。
本書では、『キン肉マン』を描き始めた頃のことを振り返りつつ、人気超人やベスト興行、実在のレスラーの話題を交えて、「プロレスなしに『キン肉マン』は誕生しなかった」ということを解き明かしていく。
新事実 続々発覚!!
本書では、マンガでは語られなかった裏話が多数登場している。
・ジャイアント馬場の攻防が”キン肉マン”のファイトスタイルのモデル!?
・アントニオ猪木的発想が”バッファローマンのカツラ事件”を起こした!?
・ドリー&テリーvsブッチャー&シーク戦が”友情パワー”の源!?
・ウォーズマンのパロ・スペシャルは勘違いから生まれた!?
・アデランスの中野さんはAKB48に影響を与えた!?
・キン肉星にマスクをもたらしたのは山本小鉄!?
・新団体『闘将!!拉麵男』を旗揚げしたラーメンマンは、まるでUWFに移籍していた前田日明!?
……などなど、今まで明らかにされていなかった衝撃的な話が続々。「へのつっぱりはいらんですよ!」とばかりに『キン肉マン』創作秘話を語り尽くしている。
テリーマン×ゆでたまご 特別対談が実現!!
なんと! 巻末にはアイドル超人・テリーマン氏と著者の特別対談が収録されている。
テリーマンとゆでたまご――超人レスラーと雇い主という間柄ながら、両者とも、これまで面と向かって話したことはなかったというが、本書ではかなり深い話まで語り合っているぞ。
・テリーマンがカネにこだわるキザなやつだった頃の話
・超人オリンピック予選での、子犬を助けて失格になった話
・2代目キン肉マングレートに襲名したときの話
・悪魔超人やジャンクマンなどの悪魔超人たちについて
・ロビンマスクやジェロニモなどの正義超人たちについて
・非公式で闘ったキン肉マンとの試合について
……などなどテキサスからわざわざお越いただいたテリーマンに、ここでしか聞けない『キン肉マン』作中での”あの試合”や”あの超人”について(作者自ら)直撃している。
今年35周年を迎える『キン肉マン』だが、こういった視点であらためて読み解くことで、新たな発見がいくつもあるはずだ。
マンガ『キン肉マン』ともども
「こりゃあ、女房を質に入れてでも読まなあきませんで!」
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