『カツカレーの日』第1巻
西炯子 小学館 ¥429+税
(2015年7月10日発売)
『姉の結婚』、『娚の一生』で、アラサー&アラフォー女性の揺れる心を描き、共感を集めた西炯子の最新作。
大手ゼネコンに勤める主人公・美由紀は、恋愛結婚の末に離婚し、苦労の末に亡くなった母親のようになりたくないという思いから、同棲中の売れない劇団員・一法師に別れを告げ、結婚紹介所に入会する。
しかし「大卒・年齢±5歳程度・年収500万以上・身長165㎝以上・転勤のない職種」という条件に合致して会った男性は、自分のことしか話さなかったり、マザコンだったり、女性恐怖症だったり……。
なかなかコレという相手と出会えずいらだつ美由紀は、ふと立ち寄ったブックカフェの雑記帳に揺れる心中を書きつづる。
すると、見知らぬ誰かから辛辣な返答があり、何度かやりとりするうちに、その相手が会社の上司であることが発覚。面と向かって話をするようになる――。
「仕事は勝ち組・恋愛は負け組」というヒロイン像は、前2作同様、西作品の定番ともいえるが、実際、妙齢のシングル女子ならば「恋愛は、結婚はかくあるべき」と頭でっかちに考えるあまり、現実とのギャップに悩み「もう、わからなくなっちゃって……」と途方にくれる美由紀に、我が身をダブらせずにいられないはず。