ふみは幾分古風なタイプ。男性に対して免疫があまりなく(興味も知識も無い感じ)、ほどよく天然で、(所帯じみてはいるが)無垢な女の子だ。
ひねくれたところがないので、読者も好感を抱きやすい。
また暁は、一見クールだがかなり人情味に厚い。口調が時代がかっているのも萌え要素だ。
小説家なのだから当然と言えば当然なのだが、ふみが「先生」と呼ぶあたりもちょっと素敵。
大小の事件を経ながら、ふみは暁に対して理解を深め、本人も無自覚のうちにだんだん心惹かれつつある様子。
奥手なふみがついに暁相手に恋に目覚めるのか? と思いきや、転入生の相生一心(あいおい・いっしん)に絡まれたうえにいきなり壁ドンされたりして、そう簡単に2人が結ばれるわけではなさそうだ。
また、暁の心中も非常に気になる。ふみを特別に想い始めているようにも見えるが、はてさて……?
構図が巧みで見せ方がうまく、心地よく読み進められる本作。
特にクールな暁の表情が良く、ちょっとした変化にもドキドキさせられて、読者はスムーズにふみに感情移入できるはず。
また途中から登場した相生一心は、2人に対するよい触媒になってくれそうにも見えるが、実際どうなるかは作者の気持ち次第というところか。
とにかくまたひとつ、目が離せない連載が私たちを楽しませてくれるということだけは、間違いようのない事実だ。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」
『椿町ロンリープラネット』著者のやまもり三香先生から、コメントをいただきました!