第4位 甘えん坊な一国の主がほっとけない!
『彩雲国物語』雪乃紗衣(作)由羅カイリ(画)
『彩雲国物語』第1巻(全9巻)
雪乃紗衣(作)由羅カイリ(画) KADOKAWA
シリーズ累計650万部の大ヒットノベルのコミカライズを紹介!
主人公・紅秀麗(こうしゅうれい)は、彩雲国きっての名門・紅家のお嬢様。といっても、大きなお屋敷があるくらいで、汗水たらして働き、なんとか生計をたてています。
そんな秀麗に、ある時朝廷から、高額な賃仕事(アルバイト)の話が舞い込んできて……。その仕事とは、なんと、世間でダメ王様とバカにされている紫劉輝(しりゅうき)の貴妃となって、彼を教育すること! とまあ、とんでもないお仕事ですが、お金に目がくらんだ秀麗は、この仕事を引き受けちゃいます。
女性でありながら、密かに国のために働く官吏になりたいと強く願う秀麗に心を打たれた劉輝は、あっさりと心を入れ替え、まじめに国政に取り組むようになります。
本来ならこれで一件落着……なのですが、すっかり秀麗ラブになってしまった劉輝が、王様の権力を最大限に活用して、女性も官吏登用試験を受けれるようにしちゃうんです。(愛は人を変える!? いや、変えすぎでしょう!)
秀麗の気を引きたい(が、アホな)劉輝は、扱いに困るレベルの巨大な氷、藁人形を贈るなど、とんちんかんなものをプレゼントして、秀麗にアタックをします。
これだけ好き勝手に行動を起こしていれば秀麗に愛想をつかされても仕方ないのですが、「秀麗の手作りのお饅頭を食べたい」「夜寝る前に二胡を弾いてほしい」と、秀麗に甘えたりする姿がいじらしく、なんだかにくめないというか……。きっと読者は気づけば彼の片想いが報われますようにと、応援してしまっているはず。
それに、権力あるイケメンに一途に想われる……なんて、シンデレラを夢見る乙女からしたらこれ以上にないシチュエーション! アホっぽいところもギャップ萌えですよ。秀麗、そこ代わって!
ちなみに、本作には劉輝以外にもたくさんの「かまちょ男子」キャラが登場します。とくに異彩を放っているのは、秀麗の叔父・黎深(れいしん)。姪である秀麗と兄(秀麗の父)ラブな黎深も、権力を駆使して秀麗に好かれようと、劉輝に負けず劣らずなとんでも行動を起こすので、そちらもお見逃しなく!
第5位 こんなかわいいわんこ系男子のお願い、断れません!
『年下の男の子』ひろちひろ
『年下の男の子』第1巻(以下続巻)
ひろちひろ 集英社
「マーガレット」に、『ひるなかの流星』『椿町ロンリープラネット』のやまもり三香先生が絶賛する新鋭が現る!
本作のヒロイン・美幌(みほろ)は、5人姉弟の長女。お人好しでお姉ちゃん気質で、人から頼まれごとをされると、なんでも引き受けちゃう優しい女の子です。
通学路で自転車のチェーンが外れて座り込んでいるひとつ年下の男の子・宮尾知英に声をかけたことをきっかけに、彼に一目ぼれされ、猛烈なアプローチを受けることに。
さっそく次の日から宮尾うんは、昼食や下校時に美幌を誘って、距離を縮めようとがんばります。美幌と自転車の2人乗りする口実として、自分の自転車のカギを失くしたと嘘をついたりなんかして、もうとにかく行動や台詞がいちいちかわいいんです!
「失くしたって言えば また二人乗りできるかもって」
「俺が何してても 誰と喋ってても 絶対声かけてください さみしーじゃないですか」
私の目には彼の頭とおしりにイヌ耳としっぽが見えました……! こんなわんこ系男子を彼氏にできたら、毎日デロデロに甘やかしちゃいますよー。
でもやっぱり男の子なんで、好きな女の子には、男として意識されたい!
「俺 年下だけど 弟じゃないから」
「先輩のことになると たまに抑えがきかなくなる」
ワンコから一気にオオカミモードに変身!? 心臓が持ちません!!
母性本能をくすぐられたり、ドキドキさせられたり読者の心を激しくゆさぶってくる本作。年下男子に翻弄されてみたい方は、ぜひ読んでみてください。
番外編 幼なじみは……ヤンデレ男子!?
『見てる。〈ストーカー〉』蜜柑(作)Carawey(画)
『見てる。〈ストーカー〉』
蜜柑(作)Carawey(画) アスキー・メディアワークス
日本最大級のガールズポータルサービス「魔法のiランド」で連載されていた人気携帯小説のコミカライズ作品!
普通の女子高生の平凡な日常が、幼なじみの男の子によって一変!?
主人公・可奈はある日突然、幼なじみの勇太に告白されます。先生やクラスメートの注目が集まるなか、可奈の返事は「OK」。2人は晴れてつきあうことに。
可奈とつきあえることになり有頂天の勇太は、キャプテンであるにもかかわらず、部活をさぼって可奈といっしょに下校し、さっそくお家デートに誘います。幼なじみとはいえ、勇太の部屋にくるのは久しぶりの可奈。カギがついている引き出しが気になり、勇太が飲み物をとりに部屋を離れている隙に、引き出しに手を伸ばすと……。
「何してんの?」と、勇太がちょうどタイミングよく戻ってきます。(勇太、目が笑ってない……!)
必要に引き出しのなかを見たかどうかを聞いてくる勇太に、「見ていない」と加奈は答えます。どうやら引き出しのなかには、勇太いわく、「命より大事なもの」が入ってるようで……?(気になるけど、なんか怖くて知らない方がいい気もする! 気になる方は単行本でお確かめください!)
つきあいはじめてまもなく、勇太はものすごく嫉妬深い男だということが明らかになる事件が。クラスの男の子と少し話しただけで激怒する勇太に、さすがの可奈もおかしいと気づきます。
「彼女第一で、連絡もマメ、愛情たっぷり」とだけ聞くとなんだかすごくいい彼氏のように思えますが、いきすぎるとヤンデレをとおりこして、ただのストーカー男かも!?
私はこんな「かまちょ男子」はぜーーったいに嫌ですけど、これくらいの愛情表現は全然アリなヤンデレ好き女子には、ぜひともオススメしたい作品です。
そうでないという方も、勇太のだんだんとエスカレートしていくヤンデレっぷりを、やや引き気味にお楽しみください!