話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『中間管理録トネガワ』
『中間管理録トネガワ』著者の萩原天晴、橋本智広、三好智樹三先生から、コメントをいただきました!
『中間管理録トネガワ』第1巻
福本伸行(協) 萩原天晴(作) 橋本智広、三好智樹(画) 講談社 ¥565+税
(2015年12月4日発売)
ギャンブルマンガの金字塔『カイジ』シリーズ。1996年に始まった連載は今年で20周年を迎えた。
カイジは現在、兵藤和也(帝愛グループ会長・兵藤和尊の御曹司)とワンポーカーで死闘中。
そんなさなか……!
昨年の「月刊ヤングマガジン」7号から突如スタートしたスピンオフ作品が『中間管理録トネガワ』である。
原作を手がけるのは『さぼリーマン 飴谷甘太朗』が絶好調の萩原天晴。作画担当の橋本智広と三好智樹は、ともに福本伸行のもとでチーフアシスタントを務めた直弟子だ。この3人体制で完璧なまでにカイジワールドを再現している。
タイトルどおり主人公は帝愛グループの幹部・利根川幸雄。
利根川といえば、Eカードでカイジに敗れた際に見せた凄絶極まりない焼き土下座で伝説を残したが、本作の時系列はカイジたちがエスポワール号に乗りこむ少し前。
退屈にあえいでいる兵藤会長から「債務者たちを集めて死のゲームを企画しろ」と命ぜられた利根川&黒服たちがアイデアを出しあう会議から物語はスタートする。
シリーズ本編では名もなき黒服たちも、ここでは利根川の大切な部下でありブレーン。新プロジェクト発足に当たって自己紹介をしていき、少しずつ彼らの素顔も明らかに(黒服キャラクター大図鑑も付いていますよ!)。
なかには佐衛門三郎二朗(さえもんさぶろう・じろう)なんて珍名さんも紛れていたりもするが、利根川は必死で部下たちの名前と特徴を覚えようとする。その姿は、どこの会社にもいる中間管理職の中年男だ。