なお、世界観やストーリーは、マンガ版は原作小説に忠実だが、映画版は様々な変更点がある。今年52歳になったトム・クルーズが青年初年兵を演じるには無理があるから当然といえるが、いつもはイケすかない無敵イケメンのトムさんが卑怯でヘタレな一面を見せるのは、レアなケースかもだぜ?(戸田奈津子字幕風)。
いずれにせよ、初めは自分のため(ループ脱出)に戦っていた主人公が、ヒロインのリタ・ヴラタスキと出会い、成長することで、彼の戦闘目的が変質していく基本線(主人公とリタのロマンス)は変わらない。マンガ版ではリタのバックボーンに関するエピソードが追加されているので、2人の行く末に関する余韻は、原作版とはまた違ったテイストになるだろう。
ちなみに映画版でリタ役を演じたエミリー・ブラントは、『LOOPER/ルーパー』というタイムスリップ作品(未来から送られてくる人間を現代で殺害する殺し屋の話!)でもヒロイン。いまハリウッドで時をかけまくっている女優といえるだろう。
ともあれ、本作におけるタイムループの法則は「あの戦場の兵士なら誰にでも起こりうる」ものである。それゆえに小説、マンガ、映画の各バージョンを“ありえたはずのもうひとつの物語”として楽しむことができる。
観てから読むか、読んでから観るか。どちらの『All You Need Is Kill』もすごい!
『All You Need Is Kill』の漫画を手がけた小畑健先生から、コメントをいただきました!
<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでのマンガ家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
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