話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『テラモリ』
『テラモリ』著者のiko先生から、コメントをいただきました!
『テラモリ』第4巻
iko 小学館 ¥552+税
(2016年7月12日発売予定)
テーラー森というスーツ店を舞台にしたアパレルコメディ、『テラモリ』。
webとアプリで大人気のこのマンガ、すでに3巻までが発売され、いずれも好評を博している。
笑える内容に加えてシビアな本格派お仕事ものとして、そしてスーツ関係のウンチクものとしても奥が深く、何度読み返しても楽しめる、じつにポイントの高い作品なのだ。
さて主人公は、日京女子大学2年、高宮陽(たかみや・よう)。2次元が大好きな陽はゲーム課金もかさむ毎日で、お金の稼ぎたいお年頃。
時給に惹かれ、彼女はテーラー森中央店でバイトをすることになる。
コミュ力の低い陽を、容赦なく叩き上げるのは鬼副店長・平尾宗隆。
最初は笑顔も作れず、平尾にはゾンビ扱いされ、もちろんお客に声をかけるなんてもってのほか。接客が苦手で裏方にばかり回っていたが、周囲の協力で徐々にフロアに立てるようになっていく。
そしてだんだんと、中央店に欠かせない存在になりつつある陽。
秋に始まったバイトから数か月がたち、そろそろ大学は試験期間。
陽は試験勉強に追われるが、店の人員不足を知っている彼女は、店には試験と申告せずにバイトを続ける。
そんな時に副店長・平尾が、陽に社員教育としてシャツの採寸テストをするという。
すっかりキャパオーバーのため、一度目のテストはまったくの準備不足。危うく平尾に見限られそうになってしまった陽は、必死で発憤する。
だが再試験を願い出ようとしていた矢先、疲労が溜まって、ついに仕事の最中に倒れてしまう。
その時初めて平尾は陽が大学の試験を抱えていたことを知り、倒れてもなお懸命に平尾のスパルタ教育に食らいつこうとする陽の姿に心を動かされる。
そして平尾は、どうやら自分が陽に対して、バイトの後輩を見る気持ち以上のものを持っていると気がつくのであった――。
ドS副店長の恋の行方やいかに? というところで始まるのが今回の第4巻。
そろそろ春物で忙しくなってくる季節を迎えたテーラー森・中央店。一度無理をさせ過ぎた陽に対して、いきすぎない教育をと思う平尾だが、陽の方は春休みになったこともあり、がんがん食いついてくる。
今日も陽のことで頭を悩ませる、なかなかセンシティブな平尾副店長なのであった。