まずはバレンタインネタから。
周囲はどうも陽からチョコをもらったらしいと知り、平尾はそわそわするが、なんせ自分は陽から「大嫌い」(3巻参照)と言われてしまった身。
ちっとも自分の前に現れない陽にあきらめかけ、ぐれ始めていた矢先の出来事。
彼女は、ちゃんと平尾のチョコを用意していてくれたのだ。
さてストーリーは一転、平尾の過去バナへと移る。
陽の務める中央店とは異なり、テーラー森・西店はレディースオンリーの店。友人のリクルートスーツ選びのため陽は西店に向かい、ここの副店長である三沢が以前、平尾と恋人関係にあったと知る。
しかし平尾は、家庭の事情もあって仕事だけに生きてきた男だ。
三沢との間がうまくいったはずもなく――。
そして舞台は再び現在へ。
平尾の気持ちを後押しする展開が、矢継ぎ早にやってくる。
そのひとつがこれ。
陽の最初の顧客であった青年が、彼女にサプライズプレゼントを持ってきたのだ。
さて陽は、このアプローチにどう応えていくのか……?
第4巻では何より、ドS・平尾の弱みがかなりはっきりと見えているのがいい。
いわゆるギャップ萌えドまんなかというやつである。
また陽のひたむきさや、無意識なかわいらしさもところどころでクローズアップされ、読者は皆この2人の恋の行方を応援してしまうはず。
もちろん人気のウンチクは今巻でも健在で、就活におけるスーツの知識など、さりげに役立つ情報もある。
コメディ色の強かった連載当初だったが、じょじょに恋愛要素が強まってきた本作。
平尾と陽の関係は、これからどうなっていくのか?
何やら順風満帆にはいかなそうな気配も漂いはじめ、作者がこれからどんな手で私たちを楽しませてくれるのか、続きが本当に待ちどおしくてならない。
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」