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【12月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編】あの施川ユウキ作品がWランクイン!? 今月のオトコ編第1位は…… 

2016/11/21


第4位(102ポイント)

『弟の夫』 田亀源五郎

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『弟の夫』
田亀源五郎 双葉社

弥一と夏菜の前に現れた大柄なカナダ人、マイク・フラナガンは弥一の双子の弟・涼二の“結婚相手”。
無邪気な夏菜に反して、マイクとのつきあいに頭を悩ませる弥一だったが……。

ゲイマンガのオーソリティがおくる話題作の第3巻が登場。
物語は、弥一と涼二の高校時代の同級生が登場し、さらなる展開を迎えます。

オススメボイス!

■アウティング(本人が隠しているのにまわりにLGBTとバラす。最近、日米で自殺者の例も)など短文で深く理解させる。“一般人”に非常にわかりやすく、LGBTとまさにナウ現在の状況を教えつつも説教くさくなく読みやすくドラマ見せ、あいかわらずうまい。台詞なくシンプルな描線の絵が続き、時計の秒針の音だけ響く場面は特に! 本来ものすごい描きこみをするアーティストなのでこうも描けるのかと見るたび新鮮(でも体毛は譲れない!)。そして自分は差別などしない、と考えていてもまったく無意識の差別意識が善意の人にもありうる……気づくよすがすら持たない……という現実も突きつける。隣の友人は? 家族なら? どのように着地させるか見守りたい(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)
■離婚した夫婦のリユニオン温泉旅行にほっこりしたのもつかの間。巻末の数ページで一気に不穏な空気を漂わせる。マイクと夏菜を辛い目にあわせないで!(侍功夫/映画評誌「Bootleg」代表/映画ライター)
■身近な人間にもしもセクシャルマイノリティがいたらということを描く最新刊。美しすぎる絵で紡ぐ、せつなさがたまらない(今村方哉/レコード会社勤務)
■あいかわらず、おもしろくて、ほろりと泣けて、考えさせられる、よいマンガです。マイクの旅立ちがそう遠くなさそうな感じがみえてきて、少しさみしい(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
■1〜2巻がLGBTに関する「初級編」としたら、3巻は内容的に「応用編」。これだけ家事シーンの多いマンガなのに、キャラクターたちの一挙手一投足が楽しめるし、われわれ読者を深い考察の淵にまでいざなってくれる。世界的に多様性に対する寛容さがためされるような風潮のある昨今、ぜひとも読んでおきたい1冊。(加山竜司/フリーライター)


第5位(82ポイント)

『スローモーションをもう一度』 加納梨衣

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『スローモーションをもう一度』
加納梨衣 小学館

クラスのイケてるグループに属している、一見リア充の大滝くんには、自分が生まれる以前の「80年代文化」が大好きという、だれにもいえない趣味があった。
ある日彼は、隣の席の地味な女の子・薬師丸ちゃんが自分と同じ“秘密”を持っていることを知る。

他人に伝わりにくい趣味を共有する2人の胸キュンラブストーリー。
相思相愛なのに、じれったい2人の恋模様に、にやにやしちゃいます。

オススメボイス!

■「スピリッツ」で連載している80年代大好き恋物語。若い読者はどう思うかわかりませんけど、とにかく作中に出てくるネタが懐かしい。第1話に出て来るウォーターゲームはウチにもありましたけど、ヒビが入ると水が漏れてまともに遊べなくなっちゃうんですよね。ファミコンが出る前って各社変わったゲームを出していましたけど、ポケットメイトやポケットパンチ、ブックゲームやゲームペンなど作中で紹介してくれたら興奮する人が、ひとりはいることを覚えておいて下さい(笑)(いけさん/ブログ「いけさんフロムエル」管理人)
■とにかく甘酸っぱい!「出逢えてよかったね」系ラブストーリーが大好きなので、この2人はとにかく応援してあげたい。どストライクな世代には堪らないだろうし、ナウなヤング(笑)にも新鮮な気持ちでオススメしたい(竹村真志 /三省堂書店 神保町本店・コミック担当)
■いちいち懐かしい小ネタを放りこんでくるからたまらない(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)


第6位(76ポイント)

『HUMANITAS ヒューマニタス』 山本亜季

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『HUMANITAS ヒューマニタス』
山本亜季 小学館


中央アメリカの部族の掟により戦う盲目の剣士、冷戦下の旧ソビエトで国家の威信をかけて戦うチェスプレイヤー、極北にクジラを追うイギリス人貴族。三者三様の“運命との闘い”を描く。

本作がデビューとなる著者の、新人離れした表現力に圧倒されます。

オススメボイス!

いろんなかたちの戦いが描かれた傑作。生き残るため、誇りのため、国のため、過酷な環境で生き延びるため……ゾクゾクします(アキミ/「ボーイズラブを読む!」管理人)
■時代、場所、民族を越え、「人間」というテーマに真っ向から立ち向かっていて感動をおぼえる(太田和成/あゆみBOOKS五反田店コミック担当)
■本当に初単行本? と思わせる完成度の高さ。こういう大きい話を描ける作家を埋もれさせてはならない。『マスターキートン』と『ゴールデンカムイ』好きな人だったら買っても後悔しないはず。次作が楽しみ。(早川博志/恭文堂コミッククラフト店)

単行本情報

  • 『ヨルとネル』 Amazonで購入
  • 『青猫について』 第1巻 Amazonで購入
  • 『バーナード嬢曰く。』 第3巻 Amazonで購入
  • 『弟の夫』 第3巻 Amazonで購入
  • 『スローモーションをもう一度… Amazonで購入
  • 『HUMANITAS ヒューマニタス』 Amazonで購入
  • 『ファイアパンチ』 第2巻 Amazonで購入
  • 『FANTASTIC WORLD』 第1巻 Amazonで購入
  • 『野原ひろし 昼メシの流儀』 … Amazonで購入
  • 『モディリアーニにお願い』 … Amazonで購入

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