話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
今回紹介するのは『レイリ』
『レイリ』掲載誌、「別冊少年チャンピオン」編集部さんから、コメントをいただきました!
『レイリ』 第2巻
岩明均(原作) 室井大資(漫画) 秋田書店 ¥600+税
(2016年11月8日発売)
何のために生きてるのかって? 殺して殺して殺しまくって! そして最後に殺されるためだよ!
原作・岩明均(『寄生獣』)×作画・室井大資(『秋津』)の異色タッグで贈る、“死にたがり少女”の物語『レイリ』が話題沸騰中だ。
「別冊少年チャンピオン」にて2015年12月号より連載がスタートしてから約1年、昨秋待望のコミックスが1・2巻同時発売となるや売れ行きも絶好調で重版出来! 少々気が早いが「このマンガがすごい!2018」オトコ編における首位争いの大本命と筆者個人は思っている。
それくらい衝撃的で刺激的で、血沸き肉躍る戦国活劇なのだ。
時は天正7(1579)年。織田信長×徳川家康の連合軍と武田勝頼率いる武田軍が設楽原(愛知県新城市付近)で激突した「長篠の戦い」から4年、武田軍の前線基地である遠江国(静岡県西部)の小山(こやま)城では、きょうも雑兵たちが小銭を賭けて剣の腕を競っていた。
しかし、常に勝敗は変わらない。屈強な男どもが束になってもかなわない少女がいるからだ。
その名もレイリ。
長篠の戦いの余波を受けるかたちで理不尽に家族を失ったレイリは、天涯孤独となった自分を拾ってくれた武田家家臣・岡部丹波守(おかべ・たんばのかみ)に心酔、少しでも早く戦へ出て丹波のために敵を倒し、最後は「丹波さまの盾」となって死ぬことを熱望している。そのために4年間、厳しい修練を積んできたのだ。
だが、年端も行かぬ少女を戦に連れて行くことなど考えられない丹波は困惑し、剣も槍も武田家イチとの呼び声高い土屋惣蔵(つちや・そうぞう)にレイリをあずけることに。
かくして武田の本拠地・甲斐国・府中(「甲」+「府」で現在の山梨県甲府市)までやってきたレイリに待ち受ける重要なミッションとは――。