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『うらたろう』 第2巻 中山敦支 【日刊マンガガイド】

2017/02/03


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『うらたろう』


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『うらたろう』 第2巻
中山敦支 集英社 ¥514+税
(2017年1月19日発売)


時は源平合戦、壇ノ浦の戦いのあと。
ただし、勝ったのは平家という、パラレルワールド。

16歳で必ず死ぬと決まっている姫君・平千代(たいらのちよ)は、何がなんでも生きたいという望みを胸に、不死を求めて旅に出た。
彼女が出会ったのは、不死身の鬼人・温羅太郎(うらたろう)。
800年以上生きた彼は、生きることに疲れ果てて、常に死にたいと願っていた。

生きたい千代、死にたい温羅太郎。
お互いの願いをかなえるべく、生と死の境目である黄泉比良坂を目指し、奥州平泉から西へ進む。

第1巻では妖魔たちを相手に千代と温羅太郎が戦う様子が描かれた。
第2巻では平清盛や藤原秀衡、平教経、安徳天皇など、実在の人物をモチーフに、超人たちが2人のまわりで大暴れする。

千代は鬼を産む、という運命を背負っている。
彼女を助ければ鬼が日本を滅ぼす。彼女を殺せば日本は安泰になる。
源氏側の平氏への恨みもまじり、物語は敵味方の二項対立論ではわけられなくなっていく。

中山敦支作品の魅力は、様々なキャラクターが持つ主張や欲望、理念のなかで、主人公たちが常に「自分の今の感情」を最優先にするところだ。
2人は妖魔を倒す。でもそれは自分たちの「不死」の悩みにまったく関係ないし、首をつっこむのは損でしかない。
温羅太郎は厭世的で、別に千代のいいぐさなんてどうでもよかった。
ところが第2巻ではすっかり千代の手助けをしている。彼のなかに、ものすごく久しぶりに感情がめばえたからだ。
理屈や効率をあっさり飛び越えたところで、「生」を描くからこの作品は、気持ちいい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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