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『ゴールデンカムイ』野田サトルインタビュー 「もっと変態を描かせてくれ!」複雑なキャラクターが作品をおもしろくする!!

2016/01/11


こだわりは持つ! でも「おもしろければOK」

——いま料理マンガはトレンドというか、かなり流行してますね。

野田 料理マンガはほとんど興味ありませんでした。好んでは読みません。

——そうなんですか?

野田 でも『ゴールデンカムイ』では、物語上必要不可欠なものだと思ったので、本気で描いてます。苦手なものを避けていては、いい作品になりませんので。

最新第5巻では、アイヌ料理ではなく、創作料理ともいえる「鯱(シャチ)の竜田揚げ」が登場した。これからどんな料理が登場するのかも楽しみだ!

最新第5巻では、アイヌ料理ではなく、創作料理ともいえる「鯱(シャチ)の竜田揚げ」が登場した。これからどんな料理が登場するのかも楽しみだ!


——苦手だったんですね、それは意外です。

野田 たとえば、興味ないからといって銃器を描くのに構え方が変だったりするものは手抜きですよね。描くならできるだけ真摯に描きます。

——ただこの作品、アイヌ文化とか明治期の軍装とか狩猟とか、本当にいろいろな要素が出てきます。そういったものを一つひとつ丁寧に描いていくには、資料集めがかなりたいへんじゃないですか?

野田 現在も連載を進めながら、つねに資料は買い増し続けています。1巻の杉元の軍帽は、今見ると、資料がなかったので下手ですね。

——コミックスの巻末にはすごい数の参考資料が載ってますね。

野田 あとがきに載せている参考資料は、アイヌ関係だけです。それ以外の資料本はさらに膨大なものになるので、載せきれません。

——細部までこだわって描くのに、とくに苦労している点はどこでしょう?

野田 当時の生活様式の描写が大変ですね。時代との整合性というか。街にガス灯はどのくらい普及していたんだろうか。照明は石油ランプが主流だったはずだ、とか。

——リアリティを追求している、と。

野田 でも、あまりこだわりすぎると話の展開が縛られてしまいます。スキーはこの時代にはまだ日本に普及していませんでしたが、ロシアにはすでにあったので、貿易が盛んな小樽には入ってきててもおかしくないはずだ、とか自分に言い聞かせて描いたり。もっとも、スキー板に「ロシニョール」とかブランド名が入っていたら、ツッコまれてもしょうがないですけどね。

リアリティとは、「実際はどうだったか」ではなく、「違和感なく作品に溶けこんでいる」ということなのだろうか。なるほど!

リアリティとは、「実際はどうだったか」ではなく、「違和感なく作品に溶けこんでいる」ということなのだろうか。なるほど!


——リアリティラインのサジ加減ですね。

野田 黒澤明の『用心棒』でも、仲代達矢のスカーフや拳銃は、時代的には無理があったんですが、キャラづけのためにあえてやったという話もあります。「おもしろければOK」というスタンスは、娯楽をつくるうえで大事だと思います。教科書をつくっているわけではないですからね。

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