第4位（82ポイント）

『7SEEDS 外伝』　田村由美

『7SEEDS 外伝』
田村由美　小学館

人類の文明が崩壊した未来世界で、壮絶すぎるサバイバルを生き抜いた30人の若者たち。堂々の完結を迎えた本編の「その後」を描く外伝。変わり果てた「伊豆」で、新しい生活を始める花たちだったが……。

文明崩壊後にも人類を絶滅させないための7SEEDSプロジェクトは、各チームが合流したことで一応の成功を遂げたが、肝心なのは彼らがさらに生き延びていくということ。海、空、陸、そして動物や植物についての知見を集めなおし、集団生活の基盤をつくる、つまり「文明」を再起動するための新しいサバイバルが始まる日々が描かれる。
これこそ本当の完結編であり、本当の「はじまり」なのかもしれない。
「こっから先もまた 未来なんやなあ」

オススメボイス！

■完結の、その後の物語。こういう続編ものは大好きなんです。大冒険の後の大団円、そのあとは生活が待っている……といいつつ、その生活ですら冒険になる世界。彼らが少しずつ未来の世界に根を下ろそうとする様がたくましくも愛おしい１冊でした（アキミ／「ボーイズラブを読む！」管理人）
■外伝と銘打ってはいるが、本編の続編的な位置づけもあり、本編を読んだ人には必読。『BASARA』には外伝が3冊あったけれども『7SEEDS』はこれ１冊で終了のようで、ちょっとさびしい。田村群像劇をもっと見ていたかった（早川博志／恭文堂コミッククラフト店）

第5位（56ポイント）

『凪のお暇』　コナリミサト

『凪のお暇』
コナリミサト　秋田書店

空気読みすぎたあげくに過呼吸で倒れ、そのままOLを辞めた凪。営業部トップで人気の慎二とも別れて新しい生活を始めたのだけれど、慎二はまだ凪にご執心。凪には気になるゴンさんも現れて…？

「an・an」マンガ大賞を受賞した本作。凪と慎二それぞれの「実家」の事情も描かれて、いよいよリアリテイがヤバい。理想の家族モードの慎二の実家のうそ寒い感じ、何かと重い凪ちゃんのお母さん。刺さる。凪ちゃんの低予算でおいしそうなお料理レシピも、いつもお世話になってます！　今回は、急接近するゴンさんの気楽につくれるかわいくておしゃれなカクテル（？）も登場。真似したい！　けど、とうとう明らかになるゴンさんの正体。
ゴンさんに恋しちゃった凪はどうするの!?

オススメボイス！

■一見「ヤバい」人がじつはその人なりに誠実だったり、一見素敵な人がじつは問題含みだったり。シンプルでかわいい描線ながら人物描写は的確、かつ深くて、一筋縄ではいかない作劇に目が離せません（川原和子／マンガエッセイスト）
■空気を読みすぎて疲れてしまう凪ちゃんが人事とは思えず、応援せずにいられない！　ハッとさせられるセリフ満載。節約ネタも楽しすぎます（井口啓子／文化系ライター）

第6位（48ポイント）

『くらもち本 ～くらもちふさこ公式アンソロジーコミック～』　くらもちふさこ ほか

『くらもち本 ～くらもちふさこ公式アンソロジーコミック～』
くらもちふさこ ほか　集英社

著名な作家陣による超豪華アンソロジーコミックスが登場。
香魚子、安藤ゆき、いくえみ綾、河原和音、金田一蓮十郎、雲田はるこ、椎名軽穂、タアモ、柘植文、筒井旭、西田理英、聖千秋、よしながふみらによるコミック、柴崎友香による小説、そして紡木たくとくらもちふさこの対談などなど。
さらに秋本治、市川ジュン、カナヘイ、久保帯人、萩尾望都、森田まさのりらによるイラストレーション、そして『天然コケッコー』3話100ページと『駅から5分』特別編も収録！

ご、豪華すぎるトリビュート集。

オススメボイス！

■とにかく参加している作家が豪華すぎて……。『天然コケッコー』とか懐かしい……（穂高茉莉／楽器店店員）