業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
今回は、過去にもオンナ編第1位に輝いた話題作の第2弾が、堂々のトップに! ホラー漫画家たちの「まんが道」を描いた本作は、第1弾でも伊藤潤二らホラーマンガ界の重鎮たちの、壮絶なトラウママンガ誕生の日々が描かれていましたが、今回もそうそうたるメンバーが勢ぞろい! 御茶漬海苔、諸星大二郎、外薗昌也、近藤ようこと、まさに現代も読者たちを震えあがらせる巨匠ばかり。ホラーマンガを描いてきた彼らが語る苦悶や本音、そして奇想天外なる漫画家人生とは!?
さらに第1位以外のマンガも恐ぁ~い作品が多数ランクイン! 注目のBL作家が描く本格サイコミステリや、宗教団体の闇とらくがきの謎の“神様”をめぐるダークスリラーなど、めじろおし。もちろんホラーだけではなく、あまり取り扱われることのない深海魚たちの美しさと神秘性を描いた話題作や「朝まで待てない」!? マンガ編集者同士のラブコメディなども注目です!
旬なマンガが多くランクインした今月のランキングを、アンケート回答者のオススメポイントとあわせてチェック!!
(2017年12月1日~12月31日発売作品を集計)
第1位(146ポイント)
『怪奇まんが道 奇想天外篇』 宮崎克(作)あだちつよし(画)
『怪奇まんが道 奇想天外篇』
宮崎克(作)あだちつよし(画) 集英社
『惨劇館』の御茶漬海苔、『妖怪ハンター』の諸星大二郎、『鬼畜島』の外薗昌也、『水鏡奇譚』の近藤ようこ。他の追随を許さない独特の作風で知られる4人の鬼才作家の半生をマンガ化してまとめた1冊。
御茶漬海苔が1990年代の表現規制時代に体験した苦悶、諸星大二郎の孤高な仕事ぶり(と歴代編集者たちの困惑!)、スランプののちに外薗昌也が『彼岸島』を描き始めるにあたって見つけた自分の本音、そしてまた独自の道をきりひらきながら、近藤ようこが噛み締めていた戸惑い、代表作を振り返りながら語られる、それぞれの「まんが道」は必見。
オススメボイス!
■御茶漬海苔先生、諸星大二郎先生、外薗昌也先生、近藤ようこ先生。怪奇マンガ家か?と問われると悩む面々であるけども、それぞれの半自伝的な内容はとっても魅力にあふれ、「知らないことが多く興味深い。とくに諸星大二郎先生がしびれるほどかっこいい(すけきょう/ポトチャリコミック管理人)
■待望の怪奇まんが道シリーズ最新刊。諸星大二郎と近藤ようこをホラー作家に入れるのは異論もあるだろうが、日本のマンガ界の重要人物である両者の伝記として貴重で読みごたえあり。御茶漬海苔氏の近況も気になっていたのでオオッと。(井口啓子/文化系ライター)
■“怪奇ホラー漫画家版まんが道”の第2弾。今作では御茶漬海苔(1960年生)、諸星大二郎(1949年生)、外薗昌也(1961年生)、近藤ようこ(1957年生)ら4人が描かれている。90年代ホラー漫画代表といえる御茶漬海苔の知られざる生い立ち。第7回手塚賞入選を果たした『生物都市』でデビューした諸星の孤高たる姿。六畳一間で57億7千万後の世界を夢想するその姿。外薗の原点回帰に至る旅。編集者に宣言するシーンの爽快感。近藤ようこがブレイクするまでの長い道のり。ファンにはたまらない知られざる人生が語られている伝記漫画。純粋にもっと読みたい、と読後感を抱いた(今村方哉/レコード会社勤務)
第2位(92ポイント)
『マグメル深海水族館』 椙下聖海(著)石垣幸二(監)
『マグメル深海水族館』
椙下聖海(著)石垣幸二(監) 新潮社
東京海底谷にある、世界初の「深海の中にある水族館」マグメル深海水族館で清掃バイトとして働くことになった天城航太郎。狭き門である飼育員になる日を夢見ながらすごす、水族館の職員や来館客との日々を描く。
トーキョーキャニオンとも呼ばれる広大な警告が広がる東京湾の海底谷。その東京深海谷を舞台にした異色の海洋ロマン作品。映画『シン・ゴジラ』のモデルになったり、テレビで話題になったりしていた「生きている化石」ラブカも登場するので注目。
オススメボイス!
■深海のなかにある水族館で夢に向かってがんばる主人公をついつい応援したくなる一冊です。しかも画力もすごい!! 大人気のダイオウグソクムシも出てきます(旭屋書店なんばCITY店平田/旭屋書店なんばCITY店コミック担当)
■待ってました深海生物マンガ! 怖いけど魅力あふれる深海生物のことを知りながら、その魅力の虜になった人間たちのエピソードにほろりとさせられます。品川から「しんかい線」で20分で行ける世界唯一の深海生物水族館、早く行きたい……!(ホシ/ごきげんノベルス編集)
第3位(76ポイント)
『悪魔を憐れむ歌』 梶本レイカ
『悪魔を憐れむ歌』
梶本レイカ 新潮社
8年前に起きた猟奇殺人事件を追う阿久津と、その犯人でふたたび犯行を再開した四鐘。阿久津の所属する北海道警察は以前に阿久津の同期カガミによる内部犯行を疑い、四鐘の「箱折事件」は捜査しないことになっている。
待望の第2巻では、阿久津と四鐘の過去が徐々に明かされストーリーは複雑さを増し、闇を深めていく。最初の被害者の遺体が入れかえられ、阿久津は18カ月間も昏睡していた。阿久津がいう「捜査しないことが唯一の捜査」とはどういうことなのか……?
オススメボイス!
■第1巻ではトマス・ハリスほか既存の和洋創作の人物造形や日本の実際にあった北海道警不正隠蔽事件との類似が濃かったが、今巻は主人公・阿久津の秘められた過去を丁寧に辿ることでオリジナルで力強い展開に。創作として深みが増している。絵のチカラすんごいし女性記者のリアリティもいい味わい。次が楽しみでならない!(澤水月/報道勤務、ライター、平山夢明mixiコミュ管理人)