業界注目度No.1!?
「このマンガがすごい!WEB」が誇るランキング選者に協力いただくアンケート集計をもとに、決定される毎月恒例の「このマンガがすごい!」ランキング。今月のランキングは……。
ちょうど現在の受験シーズンにもぴったりな、話題の受験マンガがオトコ編第1位に輝きました!
著者はアニメーション監督・新海誠氏の『彼女と彼女の猫』をコミカライズし話題となった、山口つばさ。気鋭の作家が描きだす、厳しく険しい美大受験の道とは? 意外と知られていないノウハウやテクニックも満載の注目作です!
もちろん、今回のオトコ編にランクインしたマンガはこれだけではありません。
超人気作『名探偵コナン』のなかで“影の主人公”ともいえるアイツのスピンオフマンガをはじめ、『ふたりエッチ』の性の伝道師(!?)を主人公にした衝撃エロコメディ、さらにはからかい上手な女の子が「お母さん」になったあとを描くほのぼのコメディ
……などなど、今回は人気マンガのスピンオフ盛りだくさんです!
2018年はスピンオフマンガのブーム到来でしょうか……!?
旬なマンガが多くランクインした今月のランキングを、アンケート回答者のオススメポイントとあわせてチェック!!
(2017年12月1日~12月31日発売作品を集計)
第1位(198ポイント)
『ブルーピリオド』 山口つばさ
『ブルーピリオド』
山口つばさ
講談社
昼は成績優秀な優等生、夜は仲間たちと街で夜遊び三昧と、要領よく充実した学生生活を送る矢口八虎。しかし華やかな外面とは裏腹に、内心では熱中できるものが何もない生活に、どこか空虚なものを感じていた。そんな彼が、偶然見かけた美術部員の作品、そして美術教師の言葉によって、絵を描く楽しさに目覚めてしまう。
基礎からの訓練、教師からの的確なアドバイス、そしてライバルとの出会いなど、美術の世界ながら、紡がれるストーリーはまさに熱血スポ根の王道! 目指すは、倍率約20倍の東京藝術大学! 初心者には不可能にしか見えない、この大目標へ八虎が情熱と努力で突き進む!
センスや感性がすべてと思われがちな美術の世界だが、遠近法の使い方やデッサンの描き方のコツなど、作中でしっかり具体的な美術のテクニックを初心者にもわかるよう論理立てて説明しているのも見どころ。
オススメボイス!
■インテリヤンキーの主人公が合理的じゃないとわかりつつも藝大に惹かれて、合理的に解釈していくところがおもしろい。でもやっぱり最後は情熱があって親を説得する場面には泣きました(太田和成/TSUTAYA BOOK STORE 五反田店 コミック担当)
■SNS(Twitter)で話題になっていて、気になって手に取りました(たしかデッサンのシーンが紹介されていたと思う)。芸術に楽しんで取り組むこと、骨組みとしての技術を知ること、もちろん主人公たちが活き活きと描かれていることが、かっちりいいかたちにはまっています(なみかわ みさき/物書き)
■好きを表に出すことの怖さ、そして伝わった時のうれしさが紙面からあふれてきた。本気で夢中になった時の、前のめりになる感覚がビリビリと伝わってきた。心震える作品(ふな/いつかたどり着く管理人)
■リア充な高校生活を送っているけど、いつも満たされなかった主人公が、1枚の絵を描いたことをきっかけに東大より難しい美大を目指すことになる青春物語。初めて自分が好きなことに気がついた主人公の静かな興奮が伝わってきてワクワクする。美術のテクニックやうんちくの解説もおもしろい(芝原克也/日販ほんのひきだし編集部)
■読んでて何度も涙ぐんじゃう。感動したり、興奮したり、羨ましい気持ちもあったりして。いろんな角度から涙腺を揺さぶってくる作品です。主人公とその友だちはもちろんのこと、まわりの大人たちがまたいい。とっくのとうに大人の自分は、好きなこと突き詰められてんのか? とハッとしました。個人的にはすでに『このマンガがすごい2019』にエントリーな作品と思っています!(ホシ/ごきげんノベルス編集)
第2位(144ポイント)
『快楽ヒストリエ』 火鳥
『快楽ヒストリエ』
火鳥 ワニマガジン社
原始時代、神話の誕生、そして古代から現代に至るまで、連綿と続く人類の営みとは決して切り離せない文化があった……それがエロマンガだ。本書はこれまで語られることがなかった人類の歴史とエロマンガの繋がりを解き明かすショートギャグマンガ集。
織田信長の死の真相、詳細な調査結果から明かされる徳川綱吉幼女説、ファラオの墓標に遺体とともに埋葬される「ドエログリフ」の秘密など、異説・珍説乱れ飛ぶ歴史の与太話は爆笑必至。
もともとは『COMIC快楽天BEAST』という成人向け雑誌で連載されていたが、単行本は全年齢オールカミングなので、これまで読めなかったよい子のみんなも安心してね!
オススメボイス!
■成年マンガ雑誌に、箸休めとして載っているギャグマンガ……という枠に収まらないギャグパワー。偉人転生ものがハヤりの昨今の風潮に乗ってか、(誤った)歴史の転換点に現れるエロマンガ雑誌を毎回フューチャー。その発想力と勢いがすばらしいです(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
■古今東西の歴史の影に隠された、エロマンガと偉人たちの関わりを語る歴史ドキュメンタリー。とどのつまりは与太話。エロ漫画家の顔を知ると、途端にその著者の作品が使いづらくなるのは昔の人もいっしょだったんだね……(犬紳士/養蜂家)
■人類が火の次に手にしたのは絵と文字……なればエロマンガもあったはずである。歴史上の史実とエロマンガの関わりを大胆に唱えた怪作。ギャグマンガではあるのだが、歴史SFとしてもたいへん優れている(冬蜂/風俗情報サイト「フーゾクDX」制作部)
第3位(116ポイント)
『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』 かんばまゆこ(著)青山剛昌(案)
『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』
かんばまゆこ(著)青山剛昌(案) 小学館
近頃は見かけることが多くなった人気マンガのスピンオフ。今月は3作品もランクイン!
そのトップバッターが『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』だ!
『名探偵コナン』で真相が暴かれる前に、犯人の姿として描かれる真っ黒な人影。本作の主役は、その真っ黒な人影そのままの姿の犯沢さん(仮)だ。とある人物の命を奪うために、犯罪都市・米花町に降り立った犯沢さん。まず、目的のために最優先してやらなければならないこと。それは新生活の準備!
全身黒タイツにしか見えない、犯沢さんが部屋探しをしたり、日用品を買いそろえたりする姿はそれだけでもおもしろいのだが、それ以上におもしろいのがコナンの舞台の米花町の描かれ方だ。毎日のように殺人事件が起こるせいで、不動産屋には事故物件しかなく、警察は署員がみな出払っているために、窓口はいつも大混雑。
こんな呪われた町で、犯沢さんは目標である殺人を達成することができるのか!? 何はともあれ、まずは衣食住の安定だ!
オススメボイス!
■『金田一少年の事件簿』がアレをやったかと思えば、少年探偵マンガツートップのもう片方『名探偵コナン』も犯人キャラ視点の外伝を出してきた! しかもこっちは「犯人のイメージであるシルエットの擬人化」という複雑にメタなキャラクターが主人公でおもしろい。犯沢さんが遠くから上京してきた設定で、大量に事件が起きまくる米花町やそこで平然と暮らす住人たちって異様だよねという常識的な視点を、“犯人”が担当するねじれが笑えます(宮本直毅/ライター)
■『コナン』を読んでいなくても楽しめる1冊!! クスッとずっと笑えます!(宮脇書店 本店/コミック担当)
■瞬発力抜群のスピンオフ。『コナン』好きな方はとりあえず読むしか!(福丸泰幸/喜久屋書店漫画館京都店 店長)