毎月その月に読むべき新刊マンガをランキング形式でお伝えする月刊ランキング。
トップ10には惜しくもランクインしなかったものの、「このマンガがすごい!」が誇るランキング選者たちがオススメするマンガを、熱い推薦コメントとともに紹介するのが、こちらの番外編です。
さっそく今月のおススメマンガをご紹介!
『オッドマン11』道満晴明(コアマガジン)【Amazon】
十数年、道満さんファンとして追っかけてきたけど、これもしかして道満さんの代表作になっちゃうんじゃない?って印象。「オッドマン(odd man・人外・半端者)」に恋をしちゃった女の子とオッドマンたちが繰り広げるエログロナンセンスなギャグマンガ。全体的に抑えが利かないボケに、ツッコミが時事ネタで分かる人にだけわかれってスタンスなのが人を選ぶとしかいいようがない。けれど道満ファンだからわかっちゃう、不思議。あと続刊予定で、2巻が2022年発売予定ってのが一番おもしろいギャグだと思いました(マキタマキナ/(成年)漫画愛好家)
6年がかりの連載で刊行されたヴィンテージワインのような1冊。「やめて下さい 私の処女膜にキャッ◯カード投げつけるのやめて下さい」という珠玉のフレーズを読めるのは道満作品だけ!(すけきょう/マンガブログ「ポトチャリコミック」運営)
エロマンガ誌掲載でエッチでエロいけど、マークなし。元祖、シュールでハイエンドなエロマンガ家の本領発揮作品。ひと仕事終えた賢者なら楽しめるぞ!(稀見理都/エロマンガ研究家)
『グッドナイト、アイラブユー』たらちねジョン(KADOKAWA)【Amazon】
無事完結。物語が始まった頃に比べて、とてもたくましくなった大空くんの姿に感動しました。本当にいい作品でした(いづき/ブログ「おとよめ」管理人)
『約束のネバーランド』白井カイウ(作) 出水ぽすか(画)(集英社)【Amazon】
こちらも脱獄マンガです。「週刊少年ジャンプ」には珍しいダークさを醸していますが、まだまだ希望はあると信じたいし、この作品にこそ友情努力勝利の方程式が当てはまってほしいと祈っています……(アキミ/「ボーイズラブを読む!」管理人)
震えるほどおもしろいィィィ!! いまだかぎられた空間のなかでの物語だというのに、一枚岩でない敵と、子どもたちのなかに芽生える疑心暗鬼……。やはり主人公のキャラクターがイイ。絶望しかないハズの物語に、ささやかだけどクッキリと明かりを灯してくれる(竹村真志/三省堂書店神保町本店・コミック担当)
「ジャンプ」コミックにしては新しいジャンル(?)のコミックです。子どもたちの運命はいかに……(平田/旭屋書店なんばCITY店 コミック担当)
『眼鏡橋華子の見立て』松本救助 (講談社)【Amazon】
これでもかと眼鏡推しな作品。眼鏡うんちくも多いけど、それ以上に作者の眼鏡愛が伝わってくる。「もっとみんなメガネを好きになればいいのに…」は、象徴的なセリフかと。前作『メガネ画報』あわせて楽しみたい1冊(麻野昌三/わんだ~らんどなんば店店長)
眼鏡フェチマンガは数あれど、眼鏡自体にここまでこだわってつくられた作品は、まれではないでしょうか。あふれる眼鏡愛が素敵なマンガ。人の悩みを眼鏡で解決。一見視力関係ないようなことも眼鏡で解決。ランドルト環柄の羽織、いいですね(山本浩平/まんだらけうめだ店コミックスタッフ)
メガネ愛にあふれた1冊。ここまでくるともはや狂気。でも眼鏡橋さん美しい!(杉山陽一/COMIC ZIN秋葉原店 コミックバイヤー)
『ど根性ガエルの娘』大月悠祐子(白泉社)【Amazon】
「家族の再生」に回収されてしまうかと思いきや、2巻になってさらなる展開の気配が……。いま、つづきがめちゃくちゃ気になるマンガです。怖い、思い、けど読みたい、描ききってほしい(かとうちあき/「野宿野郎」編集長(仮))
紙の本でも発売されてよかった! 家庭を壊した父と壊された家族たちの生活を描いたエッセイコミック。ひどい出来事でありながら、かわいらしくほのぼのしたタッチなので、内容のわりにライトな気分で読めていたが、そんな気分も回を重ねるごとに吹っ飛んでいく。パッと見、ライトなエッセイなのに、中身はハードなノンフィクション(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
「日刊マンガガイド」でのご紹介はコチラから!
中島かずきの「このマンガもすごい!」でのご紹介はコチラから!
『僕だけがいない街』三部けい(KADOKAWA)【Amazon】
外伝ということで本編の補完くらいに思って読んだらたいへん! 「外伝」なんて生やさしいものじゃない。これを読まずして『僕だけがいない街』を語るなかれ!(東雲騎人/イラストレーター)
『かもめのことはよく知らない』中田いくみ(KADOKAWA)【Amazon】
様々な人々の「恋」というにはあまりに淡く、ふわふわとあてどなく宙を漂う思い。見知らぬ世界への憧れや興味、あるいは、まだ見ぬの記憶をそっとなぞるような、夢にも似たノスタルジーに持っていかれる(井口啓子/文化系ライター)
『めしにしましょう』小林銅蟲(講談社)【Amazon】
小林銅蟲式のめしマンガ第2巻。不条理で哲学的な日常パートと本能に訴えかける料理パートの不思議な融合が癖になる。卓越した言語感覚から繰り出される数々の名ゼリフは声に出して読みたい。こなれたぶん、キャラの魅力も増して、小ネタも含め話の密度が濃いので、何度読んでも新しい発見があるのもうれしい(ぶち猫/ブログ「ぶち猫おかわり」管理人)
『CICADA』山田玲司(小学館)【Amazon】
マンガの所持が犯罪とされる未来社会が舞台。それは、マンガ好きにとって絶望的でやるせない未来だ。マンガの表現を規制しようという動きは、現実に何度も起きているし、現在進行形の問題でもあって、そんな状況の行きつく先がこの未来か…と身につまされる。ところがこの作品は、そんな設定にもかかわらず、マンガ好きの心をわくわくさせてくれる。「マンガバンザイ!」と快哉を叫びたくなる(稲垣高広/ブログ「藤子不二雄ファンはここにいる」管理人)
『Get Jiro!』アンソニー・ボーデイン(著)アレ・ガルザ/ラングドン・フォス(画)椎名ゆかり(訳)(誠文堂新光社)【Amazon】
もはやすっかりマンガの1ジャンルとして定着した感のある料理・グルメマンガであるが、ついにアメコミでも登場したグルメマンガ。舞台は「食」以外の娯楽が全て荒廃した近未来のロサンゼルス、莫大な権力を持つ豪華なフランス料理店と自然食志向なイタリア料理店という二大派閥が対立する町に、ぶらりと現れたひとりの寿司料理人ジローが店を開いた……という、『用心棒』のオマージュであることを隠そうともしない第1話と、ジローのオリジン話である第2話が収められている。最高の拷問として犬も食わない合成肉や不味いシャリを口に押しこめられたり、マグロ包丁を片手に乗りこんだり、『AKIRA』の金田の赤いジャケットそっくりな服を着ていたり……といった小ネタも楽しい。「スシ・エチケット違反だ」には大爆笑(マクガイヤー/ブログ「冒険野郎マクガイヤー」管理人/ニコ生主)