話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!
≪『骨が腐るまで』は「マンガボックス」にて大好評連載中! マンガは、こちらから!!≫
今回紹介するのは『骨が腐るまで』
『骨が腐るまで』著者の内海八重先生から、コメントをいただきました!
『骨が腐るまで』 第3巻
内海八重 講談社 ¥429+税
(2017年4月7日発売)
強い絆で結ばれた、16歳の少年少女たち。
イケメンにして秀才、かつ生徒会長の神崎明(かんざき・あきら)。
その明と交際中で「つけ入るスキなし」といわれる才色兼備の少女・豊島椿(とよしま・つばき)。
30人の暴走族をひとりで蹴散らし、「凶犬」と怖れられる二枚堂竜(にまいどう・りゅう)。
小悪魔的なかわいさゆえ「高度なテクニック」を持つと噂される美少女・永瀬遥(ながせ・はるか)。
そして、そんな華のある4人となぜか仲がいいことが「最大の謎」とまでいわれる、これといった取り柄のない主人公・中村信太郎(なかむら・しんたろう)。
その謎の取りあわせと、異様なまでの仲のよさから出身中学の名前を冠して「八ツ森中ミステリー5」とも呼ばれる彼らをつなぐのは、11歳の夏の秘密。
5人で人を殺し、5人で埋めたのである。
あれから5年。
毎年、その日になると確認のために死体を掘り返し、永遠に秘密を守り抜く「誓い」を新たにする──
そんな儀式めいたことを続けていた5人だが、今年は大きな異変が起きてしまう。とある事情により、埋めていた白骨の移動を計画するが、そこで骨は盗まれてしまっていることを知る。
ほどなくして「犯人」からの連絡があり、指示に従わなければ5年前の殺人を暴露すると脅迫されてしまったのだ。
そして、命令されるがままにあるアパートの一室へ向かうと、そこにあったのはある男の死体。
彼ら5人はその男を切り刻むよう指示され、慣れない手つきで解体した末に5箇所に分けて死体を遺棄することとなる。
こうしてさらなる罪を背負うハメになった5人だが、犯人からの指示はこれに留まらない。 その要求がエスカレートするにつれ、少しずつ歪み、壊れていく5人の人格と人間関係。その行く末はいかに──? というのがメインのストーリーライン。
犯人がだれなのかというミステリー要素もさることながら、5人それぞれが抱える罪の意識の違いによる感情のもつれや、こんな不安な状況だからこその友情と恋愛の間で揺れる気持ちなど、細やかな心理描写が読む者を惹きつける。