『こいコイ!~球場ラヴァーズ~』第2巻
石田敦子 少年画報社 \590+税
(2015年6月30日発売)
広島カープを応援する女子を主役にすえた『球場ラヴァーズ』シリーズ4作目が完結。
本作の主人公は、女子中学生・恋子。ひょんなことから球場通いを始めた恋子のフレッシュな視点は、野球好き以外の人にも共感できるはず。
野球のおもしろさだけではなく、球場でのさまざまな発見、小さな感動が臨場感たっぷりに描かれるのも魅力だ。
たとえば、応援団に女の人がいることに気づいた驚いたり、友だちと球場で食べるかき氷のおいしさも……。
ちなみに各話、恋子の「今月の球場代」(=おこづかいメモ)が披露されるのもリアルで楽しい!
恋子は中2でもうすぐ受験生。ドラフトに思いをはせながら進路を考えるくだりには、なるほどと思わされる。
これから自分にも“勝負の順番”が回ってくるのだと自覚し、「選手が練習するように勉強しよう」と決意する恋子に「野球を好きになってよかったね!」と声をかけたくなってしまうのだ。
「ヤングキングアワーズ」9月号(7月30日発売)より連載がスタートする新シリーズ『球場ラヴァーズ 3―2(フルカウント)』は、これまでの『球場ラヴァーズ』シリーズの歴代ヒロインが総出演するそう。
どんな出会いが待っているのか楽しみでならない。
<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
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