『自殺島』第11巻
森恒二 白泉社 \555
(2014年5月29日発売)
常日頃から「死にたい」と思っている人間が、電気もガスも水道もない原始的な生活に放り込まれたら、どうなるのか?
政府によって自殺未遂常習者たちが送り込まれた孤島を舞台にした、極限のサバイバルドラマも今巻で佳境を迎える。
サワダグループとセイグループは、本格的な戦争状態に突入。
セイグループのトモ(性同一障害者である)が、サワダたちに拉致され、奪還のためセイたちは敵対集落に侵入する。しかし、そこでは予想外の出来事が……。
特殊なシチュエーションを借りて、衣食住からセックスまで、人間の根源的な欲求と行動原理を浮き彫りにする意欲作は、セイの大きな決断で分岐点を迎えた。
この先にどんな結末が用意されているのか、1話たりとも目が離せない。
<文・奈良崎コロスケ>
68年生まれ。東京都立川市出身。マンガ、映画、バクチの3本立てで糊口をしのぐライター。中野ブロードウェイの真横に在住する中央線サブカル糞中年。
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