『女子攻兵』第5巻
松本次郎 新潮社 \596
(2014年6月9日発売)
女子高生達がわんさか出てきて、キャピキャピしながら銃をぶっぱなして戦っている。
でもこれ、じつは全員、巨大な「次元兵器」。頭のキャノピーを開くとパイロットのおっさんがでてくる。
ただの兵器ならいいんだけど、問題はこの機械に乗っていると「自分は女子高生なんだ」と精神汚染されてしまうこと。
ほとんどの「女子攻兵乗り」の精神が汚染され、巨大女子高生ライフを送り始めてしまっている。
そんななかでひとり、頑なに精神汚染を拒む男・タキガワ。女子攻兵に乗っているものの、自我を保とうとする様は、自分との戦いのようだ。
しかし彼も精神汚染促進薬で、自我崩壊の危機に陥る。
読んでいると、どこまでが女子攻兵の巨大サイズで、どこまでがリアルな等身大サイズなのかがわからなくなってしまう。
搭乗者の感覚の狂いが、読者の感覚の狂いに直結する描写の仕方は、ぜひ一度体感してみてほしい。戻れる保証はないけれど。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
たまごまごごはん