日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『じったんの時短レシピ』
『じったんの時短レシピ』第3巻
岡村みのり 講談社 ¥590+税
(2016年4月7日発売)
せわしない毎日に追われている人が多い現代だからこそ誕生したともいえる『じったんの時点レシピ』。第1巻、第2巻と、数々の「時短レシピ」を紹介してきた本作は、この第3巻をもってフィナーレを迎えた。
主人公は、彼氏いない歴3年半のOL・「じったん」こと吉永珠里。
その名の通り、急ぎの作業も猛スピードでこなしてしまう彼女は、自他共に認める“時短女子”。
疲れ果てて家に帰れば、お手軽にできちゃう料理で自分をいやす毎日だ。
これまで、「ゆず茶」「カツオのタタキ」「里芋揚げ」など、簡単かつおいしそうなレシピを披露し、花の独身OLライフを満喫してきた彼女。
ところが、この最終巻では、じったんの恋がついに動き出す。
お相手となるのは、爽やかイケメンでなにごとも完璧な王子様こと、水野くん。
だれが見ても申しぶんないほどの優良物件男子だが、どうしてもじったんは一歩踏み出せない。
なぜならば、独身ライフに慣れきってしまい、ぬるま湯の毎日を捨てきれないから。
……それでいいの!? じったん!
最終的に、恋することに疲れてしまったじったんは、故郷である高知県へと帰省する。
このままずっとここにいようかな……。何もかも忘れられる田舎での生活に心揺れるじったん。
けれど、そこに現れたのは……!?
最後の結末については詳細を説明することを避けるが……
じったんh、お幸せに!
まるで普通の恋愛マンガを読んでいるかのような錯覚を覚えてしまう第3巻だが、もちろん、あっと驚くレシピは満載。
鶏のスペアリブをコーラで煮るだけの「鶏のコーラ煮」、里芋と叩いたエビを混ぜあわせ焼くだけの「里芋のエビしんじょ」など、どれもまねしてみたくなることうけあいだ。
これにて終了した『じったんの時短レシピ』。
叶うことならば、主婦となったじったんの時短レシピも、ぜひ読んでみたいところだ。
<文・五十嵐 大>
83年生まれの、引きこもり系フリーライター。デスゲーム系やバトルもの、胸キュン必至の恋愛マンガやBLまで嗜む、マンガ好きです。マイブームは、マンガ飯の再現。