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スマホゲーム『スーパーマリオ ラン』配信開始スクープ! マリオの本名は「マリオ・マリオ」!? 【B級ニュース】

2016/12/20


複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。

今回は、「『スーパーマリオ ラン』リリース開始から好スタートダッシュ」について。


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『マリオとそのなか間たち大集合図かん』
てれびげーむマガジン編集部 KADOKAWA ¥800+税
(2015年4月2日発売)

師走である。
師匠が走ればマリオも走る。

先週12月16日、任天堂からスマホ向けゲーム『スーパーマリオ ラン』(iOS版)がリリースされた。本作の基本システムはDS版『NEW スーパーマリオブラザーズ』と似ており、カラーコインを収集しながらステージクリアを目指す。
「マリオ」シリーズ伝統の右スクロールのアクションゲームだが、マリオがひたすらオートで画面右側に向かって走っていくので、プレイヤーは画面をタップしてジャンプのタイミング指示することになる。

とにかくマリオは走ることをやめない。
まさに師走のあわただしさを象徴するかのような、マリオの走りっぷりである。
リリース前から『ポケモンGO』以来の大ヒットアプリになるのではないかと注目されていただけに、首を長くして待っていたファンも多かったことだろう。

もともと日本では12月15日に配信されると予告されていたが、まさか初日からのびるとは思っていなかった。結局、16日の午前3時頃になってリリースされたのである。
昨年休刊した雑誌「宝島」(宝島社)は、かつてテレビCMで「男のエンターテイメントマガジン」のキャッチコピーとともに、ろくろっ首をイメージキャラクターに用いていたが、草木も眠る丑三つ時を過ぎた深夜、みんなの首が長く伸びきったところで配信されたわけだ。マンマミーア。

さて、マリオの本名は意外と知られていないが、じつは「マリオ・マリオ」という。
ゴリラの学名は「ゴリラゴリラ」だし、ニシローランドゴリラの学名は「ゴリラゴリラゴリラ」だから、宿敵ドンキーコングとマリオは同類である。
それで言えば「まどかマギカ」は微妙に惜しい。同様に「クンタ・キンテ」や「(青空)球児好児」もわずかに惜しい。ゲロゲーロ。

三省堂が選ぶ「今年の新語2016」では「ほぼほぼ」が大賞に選ばれたが、日本語では強調したりていねいさを出すために重ね言葉を使う例は多い。
左様左様、ごもっともごもっとも、なかなか。
こういう言葉使いはけっこうなもので、人物が鷹揚に見えるというものだ。

そこで今回は「マリオ・マリオ」の新作リリースを祝し、言祝(ことほ)ぎの意味をこめて、重ね言葉のマンガ作品を紹介していく。

ヒーァウィゴーー!


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『ライアー×ライアー』 第1巻
金田一蓮十郎 講談社 ¥429+税
(2010年11月25日発売)

まずは金田一蓮十郎の『ライアー×ライアー』。

主人公の高槻湊は、小学生の時に母の再婚により同い年の弟を持つも、弟の透とはあるできごとをきっかけにギクシャクした間柄になっていた。
湊が大学生になったある日、ちょっとした遊びのつもりで、友人の高校時代の制服を借りて普段とは違うメイクで渋谷を歩いていると、義弟の透と遭遇。透から妙に気に入られ、やがて告白されるのであった。湊、義弟・透、野口みな(女子高生姿の湊)の3人による奇妙なラブストーリーが展開する。

自分の正体を偽ったり、本心を偽ったり、嘘に嘘を重ねるところが『ライアー×ライアー』というタイトルの由来なのだろう。


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『ぼのぼの』 第41巻
いがらしみきお 竹書房 ¥619+税
(2016年3月26日発売)

不条理ギャグの決定版『ぼのぼの』(いがらしみきお)も、同じ言葉を重ねたタイトルだ。

動物のキャラクターを主人公にする4コママンガ……といえばほのぼの路線と思いきや、ほのぼの絵柄でシュールギャグをオンパレードするところが本作の醍醐味。
クズリくんやスナドリネコさんなど珍しい動物も出てくるので、意外と動物の知識が深まるのも楽しい。
タイトルの「ぼのぼの」とは主人公のラッコの名前なので、厳密には同じ言葉の繰り返しというよりは「ぼのぼの」で一単語なのだが……、そこはまぁ、ランランやカンカンとか、リンリンとかジュンジュンと同じくくりでOKとしてほしい。

本作は1986年に連載を開始し、映画やアニメにもなったので、本作をテレビで見たことがある人もいるはずだ。
現在も「まんがライフ」(竹書房)で連載中で、今年で連載開始から30年を迎えた超長期連載作品である。


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『刻刻』 第1巻
堀尾省太 講談社 ¥705+税
(2009年8月21日発売)

生前に水木しげる御大が高評価した『刻刻』(堀尾省太)は、同じ漢字を繰り返し使っていて、踊り字(々)を使っていないところも味がある。

本作では時間を止める止界術(しかいじゅつ)がポイントになる。
時間の止まった世界・止界のなかで自由に動けるようになる止界術は、佑河(ゆかわ)家に代々伝わる秘術だが、それを我がものにしようとする宗教団体が佑河家に接触してくる。
時間の止まった世界で刻々と変化し続ける情勢、交錯するそれぞれの思惑には手に汗を握ること必至。

止界のなかには神ノ離忍(カヌリニ)とか霊回忍(タマワニ)と呼ばれる超常的な存在がいて、植物をモチーフにしたような独特なビジュアルが印象的で、「この世界で畏敬の念を抱かれている」ことが読者に伝わるだけの、たしかな説得力を持つ。
そしてこれらの存在が、本作の独特な世界観を醸成しているのだ。

作者の堀尾省太は、現在は講談社「モーニングtwo」にて『ゴールデンゴールド』を連載中。
こちらは『このマンガがすごい! 2017』オトコ編5位にランクインしており、まさに今注目の作家のひとりといえる。


重ね言葉タイトルのマンガ特集、いかがでしたか?
今年も残すところ、あと10日ほどになりました。
すごいすごいマンガを、たくさんたくさん紹介してきました。

といったところで今回はここまで。それでは次週をご期待ください。
サヨナラサヨナラ、サヨナラ(淀長風)。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

単行本情報

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