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『神つり』 第2巻 とちぼり木(作) ほろばいさ子(画) 【日刊マンガガイド】

2017/04/12


日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!

今回紹介するのは、『神つり』


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『神つり』第2巻
とちぼり木(SQEX)(作) ほろばいさ子(画) 小学館 ¥552+税
(2017年3月10日発売)


スクウェア・エニックスのアプリ「神つり」のコミカライズにあたるのが今作(アプリ自体はパズルアクションゲーム)。

“神つり”というのは、神降ろしのこと。
人間が「宝竿」(たからざお)という神具を使って、神に呼びかけて力を借りる。その様子は釣りのようだ。
次第に宝竿は釣り竿に姿を変え、神憑り(かみがかり)をするものを“神つり師”と呼ぶようになった。

八百万の神々と魑魅魍魎(ちみもうりょう)がはびこる、葦原中津国(アシハラナカツノクニ)。
少女ナミは、神つり師になる術を学ぶ学校の、劣等生。
みなが神憑りを成功させているにもかかわらず、何度やっても成功しない。

ある日、妹のナギが上級妖魔に襲われてしまう。
彼女を救うべく必死に戦う中で、ナミは超上級の神々を降ろせるように。
それは、術者の命を削る、危険なものだった。

少年少女の学園青春物語に、シャーマニックアクションをミックス。古代日本風世界観が楽しい。
自分の意思で神を降ろすことができないナミは、助言を受けてやり方を変える。
それが“この指とまれ”。
神々におもしろそうな事件だと思わせ、降りてきてもらう、という作戦だ。
だから、彼女のもとに降りてくる強力な神々は、彼女に一目置く。特殊能力というよりは、心がまえに近い。

純粋で必死なナミは、さらわれた妹ナギを助けるべく、命を削る仕組みを知りながら、救出の旅に出る……というところで物語は終了。
これは最後まで続きを読みたかった!

救出劇もそうだが、ナミやナギの恋物語も並行して進んでおり、未解決のまま。
アクションパートにおいて、使役しているようでいて“えさ”にあたるのは人間側、という切り口を、シビアにかつ派手な表現に描く作品。
熱いキャラを描いてきた作者の、次の作品に期待したい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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