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7月16日は「オーケストラの指揮者 ヘルベルト・フォン・カラヤンの忌日」 『迷犬カラヤン』を読もう!【きょうのマンガ】

2017/07/16


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

7月16日 ヘルベルト・フォン・カラヤンの忌日。本日読むべきマンガは……。


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『迷犬カラヤン』 第1巻
あやせ理子 秋田書店 ¥590+税


1989年の7月16日、20世紀を代表する世界的指揮者がこの世を去った。
「帝王」と呼ばれたその男の名は、ヘルベルト・フォン・カラヤン。81歳にして現役、没する前日までリハーサルを行っていたというからまさに大往生である。
オーケストラをまとめあげるカリスマ性とリーダーシップに優れ、20代はじめから頭角を現したカラヤンはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身指揮者兼芸術監督、ウィーン国立歌劇場芸術監督、ザルツブルク音楽祭芸術監督などを務め、長らくヨーロッパ音楽界のトップに立ち続けた人物だ。
日本でも人気は高く、クラシックに明るくない人でも名前を聞いたことくらいはあるだろう。

『迷犬カラヤン』に登場する音楽家の四枝さんが、愛犬にこの名をつけたくなった気持ちもわからないでもない!?
なにしろゴールデンリトリーバーといえば見た目も威風堂々、頭もかなり賢いはずなのだから。
ところがこのカラヤン君、とんでもないバカ犬だったのである。

靴下を噛むくらいならしかたないが、奥さんのブランドもののスカーフや時計まで食べちゃう始末。
人なつっこく、へらへらのほほんとした顔がかわいくて、ビシッと怒れないからカラヤンは常にのびのびやりたい放題。
まあ、思わぬかたちで活躍することもあるのだが。

四枝さんがもっとも慌てたのは、彼のつくった曲を演奏してくれる世界的指揮者・オオザワさん(※カラヤンの弟子だった小澤征爾のパロディ)が家にくることになった時だ。
オオザワさんが尊敬してやまない師の名前をこんなバカ犬につけたと知られたらどうなるか……。

このカラヤン、犬の訓練所では優等生だったらしく、じつはバカ犬のふりをしてるだけなのかも、なんて疑わしくもある。
アホのふりして飼い主を思いどおりに操る、帝王の才覚だったりして!



<文・粟生こずえ>
雑食系編集者&ライター。高円寺「円盤」にて読書推進トークイベント「四度の飯と本が好き」不定期開催中。
ブログ「ド少女文庫」

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