日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『とんかつDJアゲ太郎』
『とんかつDJアゲ太郎』 第11巻
小山ゆうじろう(著) イーピャオ(案) 集英社 ¥580+税
(2017年11月2日発売)
東京・渋谷のとんかつ屋「しぶかつ」3代目の揚太郎が「とんかつもフロアもアゲられる男になりたい!」と前人未到の「とんかつDJ」を目指す――。
“とんかつDJ”という「揚げ」と「アゲ」をかけたキャッチーかつ斬新な設定と揚太郎のピュアでまっすぐな愛すべきキャラクター、絶妙なギャグセンス、そして「夢と冒険と友情」の三拍子が揃った心揺さぶる熱血ストーリーで2014年の連載開始当初から話題を集め、アニメ化や多方面でのコラボレーションなど、マンガの枠を飛び出して愛される『とんかつDJアゲ太郎』がついに完結!
前巻で人生における大きな選択を迫られながらも、自らの意思で愛するホームタウン・渋谷で生きてゆくことを決めた揚太郎。
憧れの苑子ちゃんとの恋は残念ながら実ることなく終わったが、そんな挫折すら次へのステップの糧へと変えてゆくタフさを身につけた彼の、人生の第1ステージを飾る最終巻は、とんかつDJとしての集大成となる渋谷大とんかつ祭「Juicy&Crispy」スペシャル!
愛する街と人々へ感謝とリスペクトを捧げるため奔走する彼の姿には、これまで見守ってきた読者ならば感涙必至。
ハッピーでピースでポジティヴなバイブスに満ちみちたパーティーのごとき大団円に惜しみない拍手を送りたい。
本巻の発売と同時にまさかの実写映画化もアナウンス。まだまだアゲ太郎フィーバーはおさまりそうにないわけで。
2010年代の今にしか生まれ得なかった異色にして王道の青春グラフィティ、未体験の人はこの機会にイッキ読みすべし!
<文・井口啓子>
ライター。月刊「ミーツリージョナル」(京阪神エルマガジン社)にて「おんな漫遊記」連載中。『音楽マンガガイドブック』(DU BOOKS)寄稿、リトルマガジン「上村一夫 愛の世界」編集発行。
Twitter:@superpop69