『ローリング☆ガールズ』第1巻
梵辛（画）宮城陽亮（脚） マッグガーデン \571+税
（2015年1月10日発売）

かつての都道府県や市が独立し、ご当地色豊かな「国」となり、各地を自警団が守っている時代の話。
まるごとサーキットな国や、ライブしているお寺ばかりの国などなど。（どこのことでしょうねえ？）

国がたくさんできれば土地争いも起きる。
ヒロインたちの住むお茶畑と風車が目印の所沢国の自警団は「日吉町プロペラーズ」。そこに、渋谷文化を振りかざしたギャルやギャル男の集団が襲来。サイタマが一気にチャラくなる。たいへんだ！

……というトンデモ設定なアニメのコミカライズ作品。正直あらすじを書いていても、いまいちよくわからないし、わからなくていい気もする。
コミックは世界観やキャラの葛藤を綿密に描くことをいっさいしない。徹底して、ド派手なアクションとめちゃくちゃな世界をおもしろく描くことに心血を注いでいる。

読むときはぜひ見開きで見てほしい。画面狭しどころか、はみ出しながら戦う少女たち。威圧感満点の自警団のメンツ。パースをダイナミックにきかせることで表現する物語の疾走感。
とにかくテンポがよくて気持ちいい。わからない部分はアニメで補完しましょう。

とことんまで読者の快楽を刺激することに特化しているので、「女の子が元気にしているのが見たい！」という人には、問答無用でオススメ。バトルシーンでは、女の子同士がガチで腹パンかましあうのも、じつにイイ。

アニメにしかできない表現があるのなら、マンガにしかできない表現だってある！
何もかも考えずにハイになれる1冊です。

＜文・たまごまご＞
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」