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『モンスター娘のいる日常』第7巻 オカヤド 【日刊マンガガイド】

2015/04/05


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『モンスター娘のいる日常』第7巻
オカヤド 徳間書店 \620+税
(2015年3月13日発売)


ヒロインは全員人外。モンスター娘を描き続けたこの作品も、ついにアニメ化が決まった。

数年前なら「いやいやそれはニッチだろう」と言われたはずの人外ジャンル。
今や「COMICリュウ」をはじめ、あらゆる雑誌にひとつくらいは載っている状態になっているのだから驚き。
ブームというよりは、潜在的に求められていたものだったのかも?

『モン娘』は、「人外ちょいエロ」マンガとして人気を博している作品。
亜人種を守るための法律「他種族間交流法」にもとづいて、人間の主人公がラミア(ヘビの身体に上半身女性)をホームステイさせるところからはじまる。
次第にハーピー、ケンタウロス、スライム、人魚、アラクネなどかわいいモン娘が大挙して、彼に擦り寄ってくる。人間がいない、新しいかたちのハーレムコメディだ。

「大きい」「水がないといけない」など、その生態ゆえに悩むことはある。しかし主人公が全員に対して真摯に、差別なく扱ってくれる描写が多いため、「人外であるから人と接することができない悩み」はあまり見られない。
キャラの性格の明るさもあり、非常にあっけらかんとしたラブコメだ。
この作品では「モンスター」であることは個性の範疇。「メガネをかけた女の子」と「しっぽがヘビの女の子」は、ほとんど変わらないのだ。

7巻は、それぞれのヒロインの母親が一気に登場。結婚をせよ、子孫を残せ、といういたって基本的な動物としての「押し」が入る。
ちなみにセックスではなく「交尾」。種族ごとにどのように交尾するのか詳細に書かれているのが、この作品らしい。

人外モノのおもしろさは、見た目のギャップと、心理面の揺れ動き。それらが重苦しくなく、ギャグとエッチで楽しめるよう表現されているので、人外モノ入門としてはもってこいの作品だ。
慣れてきたら、亜人の生態をSF的に解釈した『セントールの悩み』、亜人と思春期の悩みを考える『ヒトミ先生の保健室』、語りたくても語れない亜人の悩み『亜人ちゃんは語りたい』などにも手を出してみてほしい。



<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」

単行本情報

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