『だがしかし』第2巻
コトヤマ 小学館 \429+税
(2015年3月18日発売)
駄菓子ウンチクをつめこんだ8ページギャグマンガが、ネットで話題沸騰中。
駄菓子屋を継げといわれた少年・鹿田ココノツと、それを強要しようとする大手お菓子会社の娘・枝垂ほたるの、ドタバタコメディだ。
2巻に入ってから、ほたるの奇行が加速している。
遊べる駄菓子「わくわくスマートフォン」で真剣にだれかに電話をし、道路の真ん中で「史上最長グミ超ひもQ」で一心不乱に新体操をくり広げ、はては長崎の「味カレー」直売所までいって、マスコットキャラやまと君の顔出しパネルで写真を撮る。
超ハイテンション、駄菓子のことしか考えない、巨乳グラマー、ゴスロリ、三白眼、アホ。
作者の画力もあって、彼女の身のこなしは時折異常なほど美しい(たとえ超ひもQ新体操であっても)。枝垂ほたるの人気はこれからまだまだのび続けそうだ。
本編では「駄菓子とはなんなのか」への問いが増えてきた。
たとえば、「どこまでが駄菓子なのか」という線引の問題。
「ヤンヤンつけボー」という、棒ビスケットにチョコをつけて食べるお菓子。値段が120円越えなのだ。はたして「駄」が「お駄賃」の意味なら、これは駄菓子という価格なのだろうか?
このお菓子、ビスケットにひとつひとつクイズが印刷されている。駄菓子は少しでも長い時間・楽しく食べることが設計の基本理念にある。であれば、「ヤンヤンつけボー」は「遊べる」という点で駄菓子なのではないか?
一見くだらない話のように書いているが、「駄菓子文化」と、日本人の生活の関係性についての探求度はかなり深い。
「セブンネオン」の回は、お菓子の構造解説のウンチクも含めて「駄菓子のあり方」を作者なりに解釈しているので、ぜひ読んでほしい。
にしても、ラジオ体操の時にドヤ顔でパジャマで飛び出してきて、舐めるとスタンプになる駄菓子「モンスタースタンプ」をペロリとなめてココノツの頬にポンと押すほたるさんの、「少年から見た未知の女の子感」たるや。
本当に、駄菓子のような女だぜ……(褒めてます)。
<文・たまごまご>
ライター。女の子が殴りあったり愛しあったり殺しあったりくつろいだりするマンガを集め続けています。
「たまごまごごはん」