『大日本サムライガール新党』第1巻
至道流星(作) 荒木宰(画) 講談社 \602+税
(2015年4月6日発売)
同名のライトノベルのコミカライズ作品。超大手広告代理店「蒼通」に勤める28歳の営業マン織葉颯斗(おりば・はやと)が、ひとりで街頭演説をする右翼少女の神楽日毬(かぐら・ひまり)と出会う。
「真正なる右翼は日本に私ただひとりである!!」と言いきる日毬の容姿を、颯斗はクライアントの広報ビデオに即使えるレベルと判断。暴漢に絡まれているところを颯斗たちに助けられた日毬は、みずからを政治結社「日本大志会」の総帥だと名乗る。……とはいえ、党員は日毬ただひとりなのだが。
孤軍奮闘の日毬を見かねた颯斗は彼女の容貌に注目し、彼女の芸能界入りを手助けする。
さらに彼は、日毬にアイドルとして天下を取らせる、という目標を設定して、芸能プロダクションを立ち上げるのだ。
持ち前の美貌に加えて、案件の内容にあった仕事をする日毬はアイドルとして世間に認められ始める。
そんな時に、特ダネとして日毬の政治活動が極右団体主催者として話題を集めてしまい、全国的な知名度を手にすることになった。
想像を上回る反響に、颯斗は日毬に「素」でアイドルをやることを勧める。
果たしてその路線は大ヒットし、とうとう人気テレビ番組のレギュラーを獲得!
その人気をみて、大手芸能プロダクションが日毬獲得に動きだすが、颯斗と日毬の間にある信頼関係を引き裂くことはできない。
卑劣なスキャンダル工作まで使って日毬を手中に収めようとする大手プロダクションに対し、颯斗と日毬はどう立ち向かうのか……。
原作のおもしろさを凝縮しながらもマンガらしい表現でより多くの人に楽しんでもらえる内容になっており、すばらしい出来。
次号以降も大いに楽しみだ。
<文・永田希>
書評家。サイト「Book News」運営。サイト「マンガHONZ」メンバー。書籍『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』『このマンガがすごい!2014』のアンケートにも回答しています。
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