365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
さて、9月22日はカーフリーデー。本日読むべきマンガは……。
『バス走る。』
佐原ミズ 新潮社 ¥1,143+税
9月22日はカーフリーデー。
都市の中心部でマイカーを使わず、都市生活と車の使い方を考える日である。
フランスの呼びかけで始まったこの運動は今や世界中に広がり、また1日だけのイベントに留まらず、16日から22日までを「モビリティ・ウィーク」として、街中での交通行動を考える週間となっている。
今年日本では、さいたま市や横浜市など10都市が参加するとのこと(くわしくはこちらのブログをご覧ください)。お近くの方は、ぜひ出かけてみてはいかがだろうか。
さて都市部でマイカーを使わないとなると、活躍するのは自転車やバイク、そしてバスだ。
なかでもバスは多くの人を同時に運べるぶんだけ、様々なコミュニケーションが生まれる。
そこで今日は、バスを通じた心温まるドラマを描いたマンガ『バス走る。』をご紹介したい。
このマンガはオムニバス短編集の形を採っているが、バスをフィーチャーしたものはそのうち5本。
さらにその他2本を含めて7編で綴られるこのコミックスは、著者の透明で雰囲気のある絵柄に見入るだけでも価値のある一冊だ。隅々まで凝った装丁もすばらしい。
契約の取れないサラリーマンと少女。引きこもり生物教師と教え子。自分の心を伝えられないOLと、彼女を想う青年――。
どの作品にも、淡くもどかしい、そして優しくせつない物語が秘められている。
なかでも、繊細なカラーで描かれた「ダドレアの路」は、美しくも悲しい童話を見るようで、読む人の心をとらえて放さない。
読み終えた後で、なんとなく今日はバスに乗ってみようか――そんな気分にさせてくれるに違いない。
そしてもしかしたら、あなたにも何かドラマが生まれるかも……?
<文・山王さくらこ>
ゲームシナリオなど女性向けのライティングやってます。思考回路は基本的に乙女系&スピ系。
相方と情報発信ブログ始めました。主にクラシックやバレエ担当。
ブログ「この青はきみの青」