日々発売される膨大なマンガのなかから、「このマンガがすごい!WEB」が厳選したマンガ作品の新刊レビュー!
今回紹介するのは、『おとりよせミッドナイト』
『おとりよせミッドナイト』
ハナムラ 講談社 ¥602+税
(2015年11月6日発売)
ヤンキーとエロを前面に押し出した「ヤングマガジン」本誌とは一線を画すという心意気を持って昨年創刊された「ヤングマガジンサード」。『亜人ちゃんは語りたい』を筆頭に話題作揃いの連載陣のなかで、ひっそりとスタートしたのが『おとりよせミッドナイト』だ。
『ハナムラさんじゅっさい』でおなじみのハナムラが、ヤンマガに持ちこみを続けるなかで持ちかけられた編集部主導の企画で、コンセプトはズバリ「夜食をお取りよせしよう」。
編集部のT屋とM浦が全国からお取りよせした逸品を食べ比べし、どちらがうまいかをハナムラがジャッジする。ちなみにハナムラは特にグルメというわけではなく、たんなる個人的な好みで判断してます。
このように楽屋落ち成分が非常に高めの企画ではあるが、ソーセージやらカレーやら寿司やらスイーツやら、(画力も構成力も文句がないのに、なぜかくすぶり続ける)ハナムラが描く全国の名品はどれもこれもめちゃくちゃおいしそう。
特に気になったのが、『亜人ちゃんは語りたい』の筆者・ペトスをゲストに迎えてお取りよせた「女王様のトマトジュース」。
無添加なのに甘く、これまでのトマトジュースがなんだったのか……と思えるほどの衝撃的なうまさ~とかなんとかいうものだから、思わずポチってしまいました(1本2,000円!)。
そんな編集部のお取りよせ夜宴も残念ながら1年間で終了(残念なのは著者と編集部だけかもしれないが)。
いまやヤンマガサードもすっかり軌道に乗っているので、そろそろハナムラが持ちこみ続けているスケールの大きな新連載にも期待しております!
<文・奈良崎コロスケ>
マンガ、映画、バクチの3本立てライター。中野ブロードウェイの真横に在住し「まんだらけ」と「明屋書店」と「タコシェ」を書庫がわりにしている。著書に『ミミスマ―隣の会話に耳をすませば』(宝島社)。