365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

7月26日は「基本国策要綱」が閣議決定された日。本日読むべきマンガは……。

『輝け! 大東亜共栄圏 完全版』
駕籠真太郎 太田出版 ￥1,400+税

「皇国の国是は八紘を一宇とする肇国の大精神に基き世界平和の確立を招来することを以て根本とし先づ皇国を核心とし日満支の強固なる結合を根幹とする大東亜の新秩序を建設するに在り之が為皇国自ら速に新事態に即応する不抜の国家態勢を確立し国家の総力を挙げて右国是の具現に邁進す」

1940年の本日7月26日は第二次近衛文麿内閣のもとで、この「基本国策要綱」が閣議決定された日である。
「大東亜新秩序の建設」、「大東亜共栄圏」の名のもとに、日本は英米との開戦にむけて突き進んでいくことになる。

そんな本日に……読んでいいかどうかはわからないが……、とにかく紹介したいのは、駕籠真太郎『輝け！ 大東亜共栄圏』。駕籠真太郎と言えば、奇想天外なシチュエーションによるメタフィクションと、エログロスカトロ趣味で（一部に？）有名な漫画家・駕籠真太郎だが、本作は思いっきり後者によった内容。

日米開戦前夜、突如として発見された女性巨大化技術。大日本帝国は、巨大化した日本の女子を、対米戦争に投入することを決断する……という理屈は、まあ、ぎりぎり納得できるのだが、実際に投入されるは、巨大化した女子の下半身2つを無理やりつなぎあわせた四足の人間戦車、である。
兵器だからもちろんズボンはおろかパンツもはいてないし、しかも砲弾は尻から発射する。しかも砲弾は尻から発射する（大事なことなので2回いいました）。

そんなわけで、エロとグロとう○こに耐性のない方には絶対にすすめられない本作。が、「ギリギリいけるかも……」という人はぜひ、奇っ怪な人間戦車同士が尻からう○こを発射して戦う、異形の太平洋戦争の目撃者となってほしい。

＜文・前島賢＞
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas