365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。
10月1日はネクタイの日。本日読むべきマンガは……。
『テラモリ』 第3巻
iko 小学館 ¥552+税
10月1日はネクタイの日。帽子商であった小山梅吉なる人物が、1884(明治17)年のこの日に、国内でネクタイを初めて製造したことにもとづくそうだ。
ちなみに、この時のネクタイは「蝶ネクタイ」だったとか。
さて、ビジネススーツや小物のなかでも、わかりやすく個性を演出できるアイテムであるネクタイを買う場合、どんなものを選べばいいか、はたと迷う。
そんな時はずばり、紳士服ショップのお仕事マンガ『テラモリ』を開いてみよう。
ゲーム大好きでインドア派、営業用スマイルを大の苦手とする女子大生の高宮陽(たかみや・よう)が、ふとしたはずみでスーツ屋「テーラー森」中央店でアルバイトを始める。
高宮が初めてひとりで接客した時に、厳しい副店長・平尾からわずか30秒でたたきこまれたのが、女性客が恋人の就職活動のためにプレゼントするネクタイの選び方だった。
この第1巻の時点ではかなり不慣れな接客ぶりであったが、第3巻にいたると、根が負けず嫌いの高宮は「かんぬきどめ」「セッテピエゲ」と、普通なら知る機会のない、ネクタイにまつわる専門的な知識も得ていき、お客様から「選んでほしい」との相談にもなんとか対応するようになる。
彼女といっしょに「なるほど……」と膝を打つことも多い。
高級なネクタイを奮発して買ったのに、なぜいざ身に着けると野暮ったいのか? そんな悩めるビジネスマンはぜひ参考にしてほしい。
また、なぜネクタイを女性に選んでほしいか、という理由にも触れられており、男性にネクタイをプレゼントする時や、いっしょに選ぶ時にも力が入りそうだ。
ネクタイのルーツには諸説あるが、一説に、戦地に行くローマ兵の無事を祈って妻や恋人が贈ったスカーフが起源、というものもある。
出勤時にネクタイを首元に締める動作(ちなみに結び目の窪みは「ディンプル」という)自体が、朝の儀式となっている方も多いのではないか。
ただの色柄のある布以上の意味あいを持つネクタイ。『テラモリ』を読んでくわしく知ってみてはいかが?
<文・和智永 妙>
「このマンガがすごい!」本誌やほかWeb記事などを手がけるライター、たまに編集ですが、しばらくは地方創生にかかわる家族に従い、伊豆修善寺での男児育てに時間を割いております。