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10月13日は「麻酔の日」 『麻酔科医ハナ』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/10/13


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

10月13日は麻酔の日。本日読むべきマンガは……。


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『麻酔科医ハナ』 第1巻
なかお白亜(著) 松本克平(監) 双葉社 ¥600+税


本日、10月13日は、江戸時代の医師・華岡青州が世界で初めて全身麻酔による手術を成功させたことから麻酔の日に指定されている。

外科医に小児科医に産婦人科医……と医療マンガは数多いが、おそらくは「麻酔」が出てこないマンガは極めて少数だろう。
たとえどんな病気だろうが、患者が手術室に入れば、とりあえず「麻酔」と「麻酔科医」の出番である。

が、その描写は、「麻酔打って」「打ちましたー」てな感じですまされていることも少なくなく、「適当に患者を眠らせるだけの簡単なお仕事」と思っている方もいるんではないだろうか……ないだろうか……というか、実際、評者はそう思っていた。本書『麻酔科医ハナ』を読むまでは(ごめんなさい)。

適当に眠らせるだけなんてとんでもない、全身麻酔中の患者というのは、自発呼吸さえできなくなってしまうから、放っておけばそのまま窒息死である。
麻酔科医たちは、そのままだと普通に死んでしまう患者を、あの手この手で必死に生かさなければいけない。それも、主役の外科医たちがお腹をかっさばいて切ったりなんだりしている最中にである。
しかも冒頭に述べたとおり、おおよそ、麻酔が不要な手術なんてないわけで、手術が行われている間は休みなどないのである。

そんな地味で目立たないうえに、「主役」の外科医達からはまるで召使いのように扱われ、しかも綱渡りの連続なのにまわりからは成功して当然と思われ、そしてあらゆる部署から呼び出されて休みもまったくない……そんな麻酔科医のハードすぎる日常が読めるのが本作だ。

様々な天才医師の華麗なメスさばきを支える麻酔科医の奮闘を、ぜひ、きょうこの日に読んでいただきたい。



<文・前島賢>
82年生、SF、ライトノベルを中心に活動するライター。朝日新聞にて書評欄「エンタメ for around 20」を担当中。
Twitter:@maezimas

単行本情報

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