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【きょうのマンガ】8月27日は世界で初めてジェット飛行に成功した日! おすすめするのは『サイボーグ009 conclusion GOD’S WAR』!

2014/08/27


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『サイボーグ009完結編 conclusion GOD'S WAR』第5巻
石ノ森章太郎,小野寺丈(作) シュガー佐藤,早瀬マサト(画) 小学館 \833+税


軍靴の足音が高まり始めた1939年の8月27日。ドイツ・ハインケル社のターボジェット推進機「He178」が、世界初のジェット飛行に成功した。
同年9月に第二次世界大戦が勃発したことからもわかるように、この背景には航空機を兵器と考える当時のきなくさい世界情勢がある。言い換えるならば、戦争がジェット機を進化させたのだ。“いかにして空を征するか?”は、近現代の戦争において重要なテーマなのである。

石ノ森章太郎のライフワークとも言うべき名著『サイボーグ009』では、脚部に飛行ユニットを内蔵してマッハ5で空中を高速移動する、サイボーグ002=ジェット・リンクが登場する。
ニューヨークはウェストサイドのストリートギャングで頭を張り、ギャング同士の抗争のなかでブラックゴーストに拉致されたジェットは、「死の商人」ブラックゴーストの“商品”たる00ナンバーサイボーグに改造された。当初、彼らが002に寄せた期待は大きかったようで、009の装備である「加速装置」を、002にも搭載しているのがその証拠であろう。

今年、全5巻をもって完結した『サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR』は、劇作家・小野寺丈の小説『2012 009 conclusion GOD'S WAR』をマンガ化したものである。もともとは、晩年の石ノ森が『サイボーグ009』の「天使編」「神々との闘い編」をベースとした「完結編」として小説形式で執筆していた未完作品であり、その意思を小野寺が継いで完成させたのだ。
石ノ森が残した文章は、その多くが物語のプロットや設定状態のものであったが、唯一、ジェットが主人公の章である「サイボーグ002 -摩天楼の底-」のみ、小説として完成させていたという。

今でも多くのファンから支持される、日本マンガ界の巨匠が残した最期の執筆作品を、ぜひ楽しんでみてほしい。



<文・富士見大>
編集プロダクション・コンテンツボックスの座付きライター。『衝撃ゴウライガン!!兆全集』(廣済堂出版)、『THE NEXT GENERATION パトレイバー』劇場用パンフレット、平成25年度「日本特撮に関する調査報告」ほかに参加する。

単行本情報

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