人気漫画家のみなさんに“あの”マンガの製作秘話や、デビュー秘話などをインタビューする「このマンガがすごい!WEB」の大人気コーナー。
今回お話をうかがったのは、ろびこ先生!
2018年4月27日(金)に公開される映画『となりの怪物くん』の著者・ろびこ先生が、現在連載している『僕と君の大切な話』。高校生の男女がすれ違いながらも距離を縮めてゆくさまを、2人の会話を軸に描いた新感覚のトーキングラブコメディだ。
ごく日常的な事象についての意見の相違から「男女の違い」を浮き彫りにしてみせる鮮やかな手腕、くだらなくもスリリングな2人のかけあいは、あるある! と叫びたくなるリアリティにあふれており、連載を重ねるごとに世代や性別を超えて、ハマる人続出中!
今回は大ヒットとなった前作『となりの怪物くん』の映画公開を記念して、ますます注目を集めそうな本作について、著者のろびこ先生にお話を伺いました!
ろびこ先生が、「このマンガがすごい!WEB」に初登場!
――まず、『僕と君の大切な話』という作品はどのような経緯で始まったのでしょう?
ろびこ先生(以下敬称略) 次回作について担当編集者さんと相談するなかで、いまいちピンとくるものがでてこなくて。個人的にWEBかなにかで描こうかなと思っていたネタをだしてみたところ、担当さんの反応が意外によくて。それじゃあ、これを連載にしてみようと始まったのが『僕と君の大切な話』だったんです。
――じゃあ、先生のなかでは当初は連載用というよりは、あくまで企画モノ的な感じで?
ろびこ そうなんです。もともとは中学生の男女がゲーセンでただ延々と思春期の男女について語る、思春期あるある話のような感じで、それに少女マンガらしく味付けしていって今の形になりました。あと前作『となりの怪物くん』でキャラクターの掛けあいが楽しいといってもらえることが多かったので、掛けあいや会話の楽しさに特化したらどうなるかな? という意識も自分のなかにはありました。
――いわゆる少女マンガでありながら主人公2人の会話を軸に物語が展開してゆく「会話劇」というのが新鮮で、少女マンガを読み慣れない自分もツボにはまってしまったんですが、なにかヒントやお手本になったものはありますか?
ろびこ 特に意識して描いていたわけではないですが、もともと舞台やお芝居を見るのが好きだったので、なんとなくそのエッセンスは入ってるのかなと思います。映画でしか見てないんですが、今思えば三谷幸喜さんの『笑の大学』みたいなものがやりたかったのかもしれません。
男女の思考の違いが、ものすごくコメディだと思った
――「どうして男は戦いが好きなの?」「それをいったら少女漫画は古今東西、男女の色恋沙汰だ」といったセリフもいちいちツボをついた名言揃いで。そこから浮かび上がる「男女の違い」がまた、世代関係なく「あるある」と共感できるリアルなものばかりで苦笑しつつも身につまされずにいられません! 先生のなかでそういった「普遍的な男女の違い」を描きたいという狙いはありました?
ろびこ そうですね、かねてから男性の思考と女性の思考の違いがおもしろいなと思っていたので……。ひとつのものを見ていても、まったく違うことを考える。それによってすれ違いやトラブルが起きる。これってすごくコメディだなと思ったんです。
――ちなみに、そういった「男女の違いあるある」ネタは、どうやって集めているのでしょう。
ろびこ やっぱり自分が普段から思ってることとか、友人の話とか……。あとは担当編集さんが思いついたネタをメモってくれてて。いっぱいあるので読むと楽しいです(笑)。担当さんは男性なので「どうして男の人ってこうなるんだろう?」という疑問も、男性の立場から理論立てて教えてくれるので非常に助かっていますね。