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【単行本重版記念!】岡崎琢磨『珈琲店タレーランの事件簿』インタビュー ミステリの先生は、日本で一番有名なあの孫!? 超人気コミックから学んだミステリの手法。

2015/09/18


コミックになることで見えてきた、キャラクターの魅力

——前回のインタビューで『タレーラン』に登場するキャラクターの魅力について語っていただいたのですが、コミック版のキャラクターたちもなかなか魅力的ですよね。

岡崎 ロングレビューを執筆していただいた北原さんも仰ってたんですけど、藻川さんがとても生き生きしてますよね。

老いてなお女性関係に全力をかける藻川氏。奥手なアオヤマと美星にも、ちょっと見習ってほしいかも。

老いてなお女性関係に全力をかける藻川氏。奥手なアオヤマと美星にも、ちょっと見習ってほしいかも。


——ほかのキャラクターに比べて、そのときそのときの感情で動いている印象が強いですよね。

岡崎 あと印象的なのは真実ですね。

——アオヤマの元カノの。

岡崎 原作よりも生き生きしていますよね。藻川さんは、もとから生き生きしてたところありますけれど(笑)。

——峠先生が、真実のこと好きなんです(笑)。

岡崎 でも「財布がここにあるから取りにこい。無銭飲食になるけど」なんて言われたら、さすがに怒りますよね(笑)。けど自分としては、真実はもっとこう……精神的に怖い女子……というか少しメンヘラ的なところがあるキャラクターだと思って書いていたんですね。

——たしかにあの執着心は、恐ろしいところがありましたよね。

岡崎 だからコミック版第三章「盤上チェイス」で、アオヤマに電話を切られて落ちこんでいるシーンを読んだとき、びっくりしたんですよ。あれ、この子ちょっとかわいいんじゃないかって。じんわりきました。

岡崎先生をドキリ!とさせたカット。暴走気味だけど、真美だってかわいい女の子なのです!

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——コミカライズを始める前に、峠さんが仰っていたのは「キャラを嫌ってほしくない」ということでした。キャラクターが非常に魅力的な原作なので、読者にはキャラを好きになってほしいと。

岡崎 ありがたいです。愛情深く接していただいて。

——コミカライズオリジナルエピソードである第六章「流れ星の長い旅」には、オリジナルキャラクター・葉一葵(はいち・あおい)が登場しますが。

コミック版オリジナルキャラクターの葉一葵。初冬でも半袖の彼女、じつは……。

コミック版オリジナルキャラクターの葉一葵。初冬でも半袖の彼女、じつは……。


岡崎 あの子もすごくいいですよね。キャラが立っていて。
オリジナルエピソードは、初めて触れる「自分以外が描いた『タレーラン』」だったので、とても楽しませていただきました。原作ではアオヤマの視点からの話がほとんどなのですが、オリジナルの話は美星メインのエピソードになっていて新鮮でした。

——「しっかりもの」というイメージの強い美星さんの、違った一面が描かれていますよね。

岡崎 歳下の女の子に翻弄されて、怒ったり呆れたり。そういったところは、あまり原作では描いていなかったので、美星にはこんなところもあったのかと思いました。たとえば葵に「おばさん」と言われるシーンとか。

「おばさん」と呼ばれ、さすがの美星さんもイラリ。オリジナルエピソードでは、普段の美星さんからは想像できない、様々な表情を見ることができる。

「おばさん」と呼ばれ、さすがの美星さんもイラリ。オリジナルエピソードでは、普段の美星さんからは想像できない、様々な表情を見ることができる。


——原作2巻では、美星さんの妹も登場するわけですが、アオヤマの目線からするとどうしても「しっかりもののお姉さん」になってしまいますものね。

岡崎 この話は、小説では書けなかったと思うので、本当にコミカライズならではのお話だと思います。

単行本情報

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