全力を注ぎこんでいる、内面があふれ出る、人の横顔にひかれます
——渡辺カナ先生の作品の主人公には、パッと見は真面目なようでちょっと変わっている女の子が多いですよね。たとえば『マシカク・ロック』の、校則を厳守するマジメなギター少女・都など。先生ご自身にも似ているところがあるのでしょうか?
渡辺 どうでしょう? 私自身には似てないんじゃないかと思います。キャラじゃなくて作品でいうと、デビュー間もない頃の短編「君の空にふる夏のあめ」(『ぼくらのゆくえは』収録)は、「渡辺カナのマンガっぽい」とよく言われますが。
——「君の空にふる夏のあめ」は梅雨の時季に、たったひとりで「清掃部」の活動に勤しむ亜芽ちゃんのお話ですね。これ、「有言実行委員会」に通ずるものを感じます!
渡辺 もちろん清掃部は私の実体験ではありませんが……作品もキャラも私から生まれたものですので、何かしら私の考えみたいなものは入っているんでしょうね。
——特徴的といえば、カッコいい男子キャラがちょこっと弱い面を見せるところも先生の作品の魅力のような気がします。ズバリ、先生の萌えポイントですか?
渡辺 弱い面を見せるというよりは、全力で何かしているとか、一生懸命打ちこんでいるときに感情が爆発する、内面があふれ出るみたいなのが好きで。それで、男女問わず泣いているシーンをよく描くんだと思います。なので、バンドマンが歌ったり楽器を弾いてるところが好きですね。魂を感じるところ!
次回、渡辺カナ先生が漫画家を目指したきっかけに迫る!
【インタビュー】描かない間もマンガのこと、ずっと思ってた。 『花と落雷』渡辺カナ【後編】
取材・構成:粟生こずえ