特撮ヒーローに改めてハマったのは、どストライクだったあの作品から!
──『トクサツガガガ』の劇中作に続いて、丹羽先生自身のお好きな特撮作品についてもうかがっておきたいのですが。
丹羽 やっぱり戦隊が好きは好きなんですけど、じつはシリーズをずっと欠かさず見続けていたというわけではないんですよ。
──そのあたりは、ずっと特撮ヒーロ番組を見続けてきたわけではない、仲村さんともリンクするところですよね。
丹羽 ですね。ちょっと古い作品では『(五星戦隊)ダイレンジャー』や『(忍者戦隊)カクレンジャー』あたりを見ていたんですけど、そこからだいぶ途切れて、また見始めたのは『(海賊戦隊)ゴーカイジャー』[注8]でした。
──それは日曜の朝、テレビをつけたら放送していたので、たまたま……などの理由で?
丹羽 友人から「ゴーカイジャーたちが昔の戦隊にも変身するよ」って聞いたのがきっかけですね。でもその時は、たとえばカクレンジャーたちが、自分が過去に見ていた番組の主役だとは気づかなかったぐらいなんですよ。
──では、いわゆる「特撮ヒーローに改めてハマった」時期というのは、いつなのでしょうか。
丹羽 しっかり観るようになったのは、(『ゴーカイジャー』の)次の『(特命戦隊)ゴーバスターズ』[注9]からです。これが自分の好みにストライクで……。
──ああ、巨大ロボのバトル描写にも、かなり重点が置かれていたので、そこが好きならそれはハマるでしょうね! 従来の戦隊作品と比べると、ややリアル寄りな要素が多かったのも、しばらく離れていた人が戻ってくるのにはちょうどいいバランスだった……とか?
丹羽 戦隊ならではの“お約束”的なところが少ないぶん、余計なツッコミをしないで見られたというのはあるかもしれませんね。でも本当、たまたまいいタイミングで好みの作品に出会えたということに尽きると思います。「なんでまた見始めたのか」ってこと自体は、自分でもよく覚えてないぐらいなんですよ(笑)。
──ちなみに、過去の作品をさかのぼって観られたりといったことは?
丹羽 今は幸い、配信などの環境にも恵まれているので、未見のものはどんどん観ています。『カクレンジャー』も、配信でケイン・コスギ[注10]さんが出ているのを目にして「あー、これ観てたやつだ!」って思い出しました(笑)。
──戦隊以外にも現行の特撮作品は観られているんですよね?
丹羽 「平成ライダー[注11]」シリーズも観ていますし、さかのぼって観たものでいえば、『ライオン丸G』[注12]なども……。
──シリーズものだけでなく単発の作品も! ところで、現実のヒーロー作品だと、2016年は「仮面ライダー」シリーズが生誕45周年、「スーパー戦隊」シリーズが40作品目のアニバーサリーイヤーなのですが、『トクサツガガガ』のなかの『ジュウショウワン』や『ストレンジャーV』といったシリーズものは、作中世界で具体的に過去何作あって……みたいな、裏設定的なものは存在するんでしょうか?
丹羽 『ジュウショウワン』以前の3~4作品ぐらいは考えたんですけど、さすがに30数作品というレベルでは何も考えてません!(笑)
──そりゃそうですよね(笑)。ただ、きっとそのあたりを考えるのが好きで好きでたまらない特撮ファンというのは、いっぱいいると思いますので、いっそ読者から「ぼくの考えたヒーロー番組」として募集してみるのはどうですか?
丹羽 それ、おもしろそうですね!
──『ジュウショウワン』の怪人デザインなんかも、募集したら、かなり集まるんじゃないかと思うんですが。
丹羽 もし「スピリッツ」で募集企画が実現した際には、みなさん実年齢で堂々と応募してくださいね。「てれびくん」と違って、恥ずかしがることはないと思いますので(一同笑)。
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- [注8]『海賊戦隊ゴーカイジャー』 2011年から2012年まで放送された、シリーズ35作目の記念すべきスーパー戦隊。「レンジャーキー」というアイテムを使うことで、歴代スーパー戦隊に変身できるという設定が、大きな話題を集めた。
- [注9]『特命戦隊ゴーバスターズ』 2012年から2013年まで放送されたスーパー戦隊。各戦士ひとりに1体、バディ(相棒)となる等身大ロボットが存在する設定、巨大ロボ戦と等身大の怪人との戦いを平行して描く、巨大ロボの整備員やオペレーターの描写にも重きを置くなど、多くの新機軸を打ち出した。
- [注10]ケイン・コスギ 米国ロサンゼルス出身の俳優。『カクレンジャー』では「米国出身の忍者」というぴったりな役柄である、ニンジャブラックことジライヤを演じ、実父であるベテランアクション俳優のショー・コスギとの親子共演もはたした。ほか、特撮関係の主演作品に『ウルトラマンパワード』など。
- [注11]平成ライダー 2000年の『仮面ライダークウガ』以降に放送されている「仮面ライダー」シリーズの呼称。2016年は平成17作品目の『仮面ライダーゴースト』が放送中。
- [注12]『ライオン丸G』 1972年の特撮時代劇『快傑ライオン丸』のリメイクとして、2006年に放送された深夜特撮番組。舞台は2011年の「ネオ歌舞伎町」、主人公は駄目ホストと、原典からの自由な改変で注目を集めた。深夜枠ならではの下ネタの嵐、遠藤憲一をはじめとする濃すぎる役者陣の怪演、終盤のシリアスな展開などで、今も熱心なファンが多い。映画『モテキ』『バクマン。』などでヒットを飛ばした大根仁がメイン監督を務めていた。
取材・構成:大黒秀一