第4位(64ポイント)
『地獄のガールフレンド』 鳥飼茜
『地獄のガールフレンド』
鳥飼茜 祥伝社
離婚してシングルマザーとなったイラストレーターの島田加南(31歳)、長年住んだアパートの取り壊しとなり新しい部屋を探し求める会社員・首藤悠里(28歳)、そして大好きな恋人に浮気されてしまった出口奈央(36歳)の3人は、縁あってシェアハウスで同居することになる。
いよいよ完結巻となる最新第3巻では加南が彼氏から同居を申しこまれ、3人暮らしに解散の危機が訪れる!
アラフォー、アラサーの女性たちのモヤモヤを描きつつ、爽快な読後感をもたらすデトックス同居物語が完結! 「読者の共感120%」といわしめた鳥飼茜の話題作は、社会で女性たちが「オンナだからこそ」直面する問題に、まっこうから向きあうことで、大人女子な読者たちの「明日もがんばろう」の活力と勇気につながってきました。3人の“じごガー”たちがラストに直面する究極の議題、「心地いい生活」か「大好きなオトコ」のどちらかを選ばなきゃいけないなら……アナタは、どっち!?
オススメボイス!
■おもしろおかしい女3人ガールズトークもの――とナメてたら足元をすくわれる。男と女の、他者と自我のかなりディープな領域に斬りこみつつ、誰のことも攻めず、違いを認めあって手を取りあうラストがこれまたすばらしい(井口啓子/文化系ライター)
■『地獄のガールフレンド』(いちおうの)完結。鳥飼茜の刺さるセリフが冴えわたる痛快作で、男子としては読んでいて胸ぐらをつかまれた気分になることもしばしばだった。いつの日か再開してほしい(奈良崎コロスケ/博奕・マンガ・映画の3本立てライター)
■人生にタイムリミットなどない。だから鳥飼茜の物語はいつも「終わらない」のだ。そして人生はつづく。あいかわらずのみごとなラスト(小田真琴/女子マンガ研究家)
「日刊マンガガイド」でのご紹介は、コチラ!
第5位(60ポイント)
『女王の花』 和泉かねよし
『女王の花』
和泉かねよし 小学館
時は紀元前、群雄割拠する戦乱の世。亜国の姫として生まれたものの冷遇されて育つ亜姫(あき)はある日、金髪碧眼を持つ奴隷の少年・薄星(はくせい)と出会う。
長きにわたる戦いを経て、ついに亜国の女王となった亜姫。しかしそこには、戦乱のなかでともに戦い、生き残ってきた薄星の姿はなく――⁉
小学館「ベツコミ」2007年11月号に掲載された読み切りからスタートし、10年にわたり連載してきた、大河歴史マンガがついに完結! 悠久の古代大陸を舞台に、あるひとりの女王と彼女に忠誠を誓う兵士の、壮絶な戦いと愛が描かれた本作ですが、ファン感動のラストには涙が止まらないこと、間違いなしです。
オススメボイス!
■解釈の分かれるエンディングだろう。実際に訪れた幸福なのか。はかない夢でしかないのか。いずれにせよ、歴史の一部として省略されなければならなかったはずのエモーションが、そこで大きくあふれ出している。このため、悲劇で成り立った架空の戦記に幕がおりたことよりも酷薄で美しいラブ・ロマンスが完結したことを強く感じさせられる。亜姫と土妃の生き様は対照的ではあるけれど、もしも自由が存在するなら、それは私的なもののなかに現れるのかもしれない、という意味で近似であった。私的で小さな願いを失わず抱えてきた亜姫の長い年月が、エンディングへ花のような輝きをもたらしているのだと思う(森田真功/ライター/ブログ「Lエルトセヴン7 第2ステージ」管理人)
■ついに完結。最終的にどうなるのかと読み続けていましたが、感動の最終回。終わりよければすべてよし。読んでいなくて気になっていたかたは、ぜひ(福丸泰幸/「喜久屋書店」漫画館京都店 店長)
第6位(42ポイント)
『四十七大戦』 一二三
『四十七大戦』
一二三 泰文堂
極東の島国・日本の47都道府県に「ゆる神」が存在し、次の首都になるために戦う首都争奪戦を繰り広げる世界。 そのなかで魔境・鳥取は、人口の減少により崩壊の危機に直面する消滅可能性都市となっていた。そんな危機に、ご当地神の鳥取さんは、次の「首都」をめぐり、ほか46都道府県の神々を相手に奮闘する!
シリアスな設定ながらも、キャラクターや技名に各都道府県の特産品や県民性がふんだんに盛りこまれ、シビアなシーンなのに、なぜか笑いが止まらないという、新感覚・都道府県擬人化マンガが登場!
某コーヒーショップがようやく1店舗建っただけで県をあげて大騒ぎとなった、あの鳥取(注:他意はないですよ)が主人公となり、アクの強い他県たちを相手にバトルするシーンは必見!
現在、中国地方をメインに展開する物語ですが、今後、どんな個性が強いキャラクターが出てくるのか、楽しみです!
オススメボイス!
■首都が鳥取県に!! 擬人化した県民性がおもしろくて中国地方以外の県も気になります!(宮脇書店本店/コミック担当)
■とりあえず、バトルがありえない。「HPの減少=過疎化」という発想もすごくおもしろいし、ヴィジュアルのインパクトも半端じゃない。まだ単行本化されてないけど、個人的には広島戦が好きです。まさかアレまでもが、武力となるなんて……(はろるどキサラギ/ライター・編集)
「『四十七大戦』リコメンド特集」でのご紹介は、コチラ!
第6位(42ポイント)
『時計じかけの姉』 いけだたかし
『時計じかけの姉』
いけだたかし 幻冬舎コミックス
なかばシャッター商店街となった街で、ひっそり働く天才時計技師の女性・晶、そしてその町で男娼をしている晶の弟で高校生の水(ミナト)。今日も今日とて、ミナトは店の2階に“客”をひっぱりこむ。そんな2人の姉弟には、ほかのだれにもいえない秘密がある。それを知りながら晶に恋する幼なじみの電器屋・ツグジは、ゆがんだ2人を正そうとするが……!?
「男娼の弟の痴態をオカズ(!)にする姉」という、攻めに攻めた設定で大きな話題となった本作。『ささめきこと』のいけだたかしが手がける衝撃作に、マンガファンも注目しています!
ミナトの過去や晶の目的など、インモラルでエロティックな世界観に対し、ツグジや商店街の人々のほのぼのとした日常生活とのギャップも、作品の見どころのひとつ。物語がどんなふうに展開するか未知数なところも多く、今後も目が離せません!
オススメボイス!
■とっても淫靡。秘密をかかえた姉弟とそれを知りつつ普通に接している商店街の人々。その空気感が危うくも愉快でぐいぐい引きこまれました(杉山陽一/「COMIC ZIN」秋葉原店 コミックバイヤー)
■これまでの氏の代表作『ささめきこと』や『34歳無職さん』からは想像を超える衝撃作品。時計屋に住んでいる姉弟。姉は天才、弟は男娼だったのです。ハードな展開ですがどこかほのぼのとした雰囲気としっかりしたストーリーが感じられるのはベテランの腕ですね(すけきょう/ブログ「ポトチャリコミック」管理人)