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『昭和元禄落語心中』第6巻(雲田はるこ)ロングレビュー!マンガで描かれる落語の了見

2014/10/01


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『昭和元禄落語心中』第6巻
雲田はるこ 講談社 \581+税
(2014年8月7日発売)


『このマンガがすごい! 2012』のオンナ編で第2位になり、第17回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門では優秀賞を受賞。本作『昭和元禄落語心中』は、すでに多くのファンに支持されており、その魅力は広く人口に膾炙している。物語や人物描写を賞賛する声が多い一方で、落語を見たことがない読者からも「落語を見た気になれる!」という感想が聞こえてくるあたり、落語描写も本作の魅力であることは間違いない。最新6巻では、これまで以上に落語描写に磨きがかかっている点に注目したい。

落語の演目が物語と密接に関わっているのも本作の特徴。6巻では「大工調べ」における棟梁の啖呵に注目。

落語の演目が物語と密接に関わっているのも本作の特徴。6巻では「大工調べ」における棟梁の啖呵に注目。

落語を題材としたマンガ作品はこれまでも存在したが、作中で落語が始まると、演者が噺の登場人物に扮装して劇中劇が始まるのがセオリーであった。しかし、本作はそのスタイルを踏襲せず、落語家が落語を演るシーンをたっぷりと描く。それが、テンポ良く読み進められるのが特筆に値する。

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単行本情報

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