複雑化する現代。
この情報化社会では、日々さまざまなニュースが飛び交っています。だけど、ニュースを見聞きするだけでは、いまいちピンとこなかったりすることも……。
そんなときはマンガを読もう! マンガを読めば、世相が見えてくる!? マンガから時代を読み解くカギを見つけ出そう! それが本企画、週刊「このマンガ」B級ニュースです。
今回は、『スターウォーズ』最新作公開について。
『アート・オブ・スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
フィル・スゾタック ライアン・ジョンソン ヴィレッジブックス ¥5000+税
(2017年12月15日発売)
あんなジェダイもあったねとッ!
いつか話せる日が来るかもしれないッッ!!
先週、ついに『スター・ウォーズ』シリーズの最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(エピソード8)が公開されたッ!
世界が『スター・ウォーズ』に熱狂する一方で、これが第8作目(映画本編のみ)なので、シリーズものに途中参加するのに尻ごみしている初心者も多いのではないだろうか?
『スター・ウォーズ』本編シリーズは、3部作ごとのセットになっていると考えればいい。
まず最初に1977~1983年に公開されたのが、エピソード4~6。これを旧三部作(オリジナル・トリロジー)と呼ぶ。
続いて1999~2005年に公開されたのがエピソード1~3。旧三部作の前日譚であり、こちらは新三部作(プリクエル・トリロジー)と呼ばれている。
そして2015年からスタートしたのが、エピソード7~9。こちらはエピソード6以降の世界を描いており、続三部作(シークエル・トリロジー)との呼称がつけられている。
一昨年公開された『フォースの覚醒』(エピソード7)から仕切り直しとなっているので、この『最後のジェダイ』(エピソード8)を楽しむには、とりあえず『フォースの覚醒』(エピソード7)だけ観ておけば大丈夫だ。
だから「続きものの最新作」といって身がまえる必要はなく、最低限『フォースの覚醒』(エピソード7)さえ観ておけば、この世界的ムーブメントに乗ることができるわけである!
もちろん、『スター・ウォーズ』を心ゆくまで楽しみたいというのであれば、作品世界の時系列(エピソード順番どおり)で観るよりも、劇場公開された順番で観るといいだろう。
すなわち4→5→6→1→2→3→7→8→9(予定)だが、個人的には3と7のあいだに『ザ・ピープルVSジョージ・ルーカス』というドキュメンタリー映画を観ておくことをオススメする。
ともあれ、いま世界は『スター・ウォーズ』に熱狂している真っ最中なのだ。
続三部作は、シリーズ初の女性主人公が話題を呼んでいる。
デイジー・リドリーが演じる主人公レイは、『フォースの覚醒』(エピソード7)に引き続き、先週公開されたばかりの『最後のジェダイ』(エピソード8)でも主役を務めている。
こうした冒険活劇で女性が主人公となる作品は、なかなか珍しいのではないだろうか?
だが、冒険活劇で活躍する女性主人公は、マンガの世界にも存在する。
そこで今回は、女性主人公が冒険するマンガを紹介していきたい。
まわるまわるよジェダイはまわるッ!!
『あずみ』 第1巻
小山ゆう 小学館 ¥743+税
(2012年1月14日発売)
『スター・ウォーズ』シリーズの主人公たちは、ライトセーバーという刀のような武器を使用する。ライトセーバーによるチャンバラも本作の魅力だが、女性主人公で刀といえば、もちろん『あずみ』だ。
江戸に幕府が開かれたばかりの時代。徳川家康の腹心・南光坊天海は徳川政権安定のために、内乱の芽を摘む(枝打ち)暗殺集団の育成を計画した。天海から命じられた小幡月斎は、身寄りのない子どもたちを鍛える。そして月斎によって育て上げられた最強の刺客が、少女あずみであった。
あずみは月斎の命じるままに、さまざまな要人を亡き者にしていくのであったが……。
小山ゆうの描くあずみの剣劇アクションは本作の見どころのひとつ。凄惨になればなるほど、あずみの美貌も輝いていく。
『ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン』 第1巻
荒木飛呂彦 集英社 ¥390+税
(2000年5月1日発売)
シリーズものの冒険活劇で、作中主人公が代々男性だが、それがあるシリーズでは女性が起用された……という点では、『ジョジョの奇妙な冒険』第6部をピックアップしたい。
本シリーズの第6部「ストーンオーシャン」は、空条承太郎(第3部主人公)の娘・徐倫(ジョリーン)が主人公だ。「ストーンオーシャン」の舞台は2011年のアメリカ。恋人とのドライブ中に交通事故を起こしたジョリーンは、フロリダの「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」に収監されてしまう。
獄中のジョリーンに面会に訪れたのは、父の承太郎であった。承太郎はジョリーンの事故に「ジョジョ」一族の敵の影があることを告げ、ジョリーンに脱獄をうながす。やがてスタンド能力に目覚めたジョリーンは、その能力を駆使して敵と戦い、脱獄を図るのであった。
承太郎がジョリーンに「I am your father.」といったかどうかは定かではないが、ジョリーンはタフでグレートな女性主人公である。
『約束のネバーランド』 第1巻
白井カイウ(作) 出水ぽすか(画) 集英社 ¥400+税
(2016年12月2日発売)
そして脱獄劇といえば、惑星ベスピンから脱出するレイア姫(エピソード5)!
……ではなくて、現在「週刊少年ジャンプ」にて大好評連載中の『約束のネバーランド』だッ!!
小さな孤児院グレイス=フィールドハウスで育った主人公エマは、ほかの37人の孤児たちと同様、“ママ”の惜しみない愛情を受けて慎ましくも幸せな日々を送っていた。
しかし、この孤児院では、12歳になるまでには里親を手配され、ハウスを巣立っていくことになっている。
ハウスの最年長となっていたエマは、とある事件をきっかけに、ハウスの重大な秘密を知ってしまうのであった。そして最年長組のエマ、レイ、ノーマンの3人は、ハウスからの“脱獄”を計画する。
「このマンガがすごい! 2018」ではオトコ編第1位に選ばれた話題作に大注目だ!
そんなこんなで、「週刊『このマンガ』B級ニュース」は、今回が2017年ラストの記事になります。今年もいろいろな出来事、様々なB級ニュースがありました。みなさんにとっては、どのような年でしたか?
よい年をお迎えください。フォースと共にあれ。
<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama