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『ブルーピリオド』 (山口つばさ) ロングレビュー! リア充マイルドヤンキーが藝大受験に挑む!! 絵を通じて広がる世界は、彼にどう映るのか!?

2018/02/08


話題の“あの”マンガの魅力を、作中カットとともにたっぷり紹介するロングレビュー。ときには漫画家ご本人からのコメントも!

今回紹介するのは『ブルーピリオド』

『ブルーピリオド』著者の山口つばさ先生から、コメントをいただきました!

著者:山口つばさ

このたびは、2月の「このマンガがすごい!」ランキング オトコ編第1位&ロングレビューありがとうございます!
マンガやアニメは、日本人にとってもっとも身近な美術のひとつだと思っているので、マンガを読む人にとって影響力のある「このマンガがすごい!」で取りあげていただき、本当にうれしいです。
「このマンガがすごい!」をきっかけに『ブルーピリオド』を読んでくれた人が「美術って思ってたより楽しそうだな~」と思ってくれたら、さらにうれしいです。

『ブルーピリオド』
山口つばさ 講談社 ¥630+税
(2017年12月22日発売)


東京藝術大学の絵画科は、現役生にとって東大以上に狭き門。そんな超難関に金髪ヤンキーがゼロから挑む! 新海誠の短編アニメーション『彼女と彼女の猫』のコミカライズも好評だった山口つばさの最新作は、美大受験をテーマにした青春譚だ。

八虎は美術室でたまたま目にした油絵に目を奪われる。

高校2年生の矢口八虎(やぐち・やとら)は、酒とタバコと夜遊びの日々。だがその裏では勉強もしっかりとこなしており、成績は常にトップクラス。充実したスクールライフを送っているように見えたが、空しさを感じることも多かった。

そんなある日、たまたま美術室で見かけた1枚の絵に心を奪われた八虎は、美術の授業で課題に出された「私の好きな風景」に着手、徹夜明けの目に飛びこむ早朝の渋谷を「青」で表現した。ヘタクソながら完成させたその水彩画が、彼の運命を大きく変えていく。

文字じゃない言語=絵を通じて初めてちゃんと人と会話をしたと感じる。

人づきあいも勉強もそつなくこなす高校生が絵のおもしろさに目覚め、藝大受験を決意するまでの導入がとにかく激熱! イッキに世界観へ引きずりこまれる。仲間とバカ騒ぎしながら青春を消化する毎日はそれなりに楽しいが、そこにはなんの“手ごたえ”もない。拙いながらも自分の感性で描きあげた絵を悪友たちがアレコレと評してくれたとき、うわべの会話ではなく、初めてコミュニケーションがとれた気がして八虎が涙ぐむ姿は、世代を問わず共感を呼び、胸に迫るはずだ。

この学ラン美少女の正体は女装家のユカちゃん(本名は鮎川龍二)。

単行本情報

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